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特撮ヴィラン語り ~その234 雉野つよし/激走鬼~

絶賛放映中の「暴太郎戦隊ドンブラザーズ」。いやあ本当に大反響ですよね。
俺の周りでも、全く特撮ヒーローモノに触れて来なかった友人たちがこぞって「ドンブラザーズめっちゃ面白い」と絶賛しておりまして、まあ特撮ヲタとしてはほくほくというか、本当に嬉しい限りです。やっぱり同好の仲間が増えるっていいもんですよ。

そんな「ドンブラザーズ」ですが、衝撃的な展開が色々とあったんです。いやまあ毎回衝撃しかねえんだけどさ
中でも印象的だったのが、序盤まだ10話ちょっとしか経ってないのに戦隊メンバーが闇堕ちするという緊急事態。そしてたった1話で元に戻されるという圧倒的なスピード展開。

展開早すぎて振り落とされるわ視聴者が

ドンブラザーズにおけるピンク担当のキジブラザー/雉野つよし。ピンクが男性っていうこと自体歴代では初の展開ですが、さらに家庭持ちという初の要素付き。異例中の異例です。
とはいえ、つよしさん自身はごく平凡な一般人。むしろ営業成績は振るわず社内でもちょっとバカにされがちな、平均よりちょっと下かもしれないサラリーマンです。
そんな彼にとっての唯一の癒し、それは大好きな妻のみほさんとの甘い夫婦生活。カリスマ美容師として名を馳せるみほさんの完璧超人っぷりにコンプレックスを抱くこともありつつも、自分を大事に想ってくれるみほさんとラブラブな日々を送りながら、ヒーローとしての活動にも精を出しておりました。

しかしそんなある日、なんとみほさんが交通事故に遭遇。軽いケガで済んだものの、大切な奥さんを傷つけられた怒りがつよしさんの中で激しく燃え上がりーーその想いから彼はヒトツ鬼:激走鬼(ゲキソウキ)に変貌。自動車を無差別に襲う怪人として暴走してしまうのです。

奥さんへの愛が重い

まあ元々つよしさんね、みほさんへの愛がマジで強すぎるんですよ。
ある画家が女性の絵を描くことに執着するあまり、その心が暴走して変身した魔進鬼(マシンキ)が現れた時には、ドンブラザーズの力なら戦って倒すことで元の人間に戻せるのに敢えて仲間の必殺技を妨害して、ヒトツ鬼を完全消滅させることを目的とする脳人にその始末を暗に譲り。自宅に戻ると

「みほちゃんを傷つけるヤツはこの世にいちゃいけないんだ……」とほくそ笑みを浮かべるつよしさん
え、何ヤンデレ?サイコホラー的なヤツ?

……さっきの一般人発言、ちょっと訂正した方がいい気がしてきたわ。

まぁでもこんな感じで、「ドンブラザーズ」における怪人:ヒトツ鬼というのは誰が変貌してもおかしくない存在なんです。様々な感情や欲望が膨れ上がって暴走することがトリガー。誰の中にもそのきっかけは眠っているものですからね。その人たちを救うのか消し去るのかが、ドンブラザーズと脳人の戦いの軸になります。
そしてヒトツ鬼のデザインは歴代の戦隊ヒーローがモチーフなんで、そこもまた面白い。この激走鬼は「激走戦隊カーレンジャー」モチーフで、カーレンジャーの合体ロボであるRVロボのようにバンパーフレームが目立つスタイル。でも頭にネクタイをぶら下げて、サラリーマンアピールもしっかりしてるんですよね。この細かさ、好きです。

しかしまあ戦隊メンバーが怪人になるって、だいぶ一大事じゃないですか。それこそ結構時間をかけて解決しなきゃならない問題なのがセオリーというか。
でもね、なんと1話で元に戻して解決するんです。割とあっさり。

だってそれどころじゃなかったんだもん
リーダーのドンモモタロウが死から蘇るかどうかの瀬戸際だったし
新メンバーとして登場したドンドラゴクウが割とナチュラルサイコでチームの空気悪くなるし

……闇堕ちもタイミングが肝心なんですかね。あわれつよしさん……

matthew

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