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特撮ヴィラン語り ~その112 チノマナコ~

平成仮面ライダー10作記念の「仮面ライダーディケイド」。それまでやって来なかった他作品とのクロスオーバーを全面に打ち出したこの作品ですが、そのキャッチフレーズのひとつが「全てを破壊し、全てを繋げ!」
その謳い文句通りにシリーズの枠組みを破壊した「ディケイド」は、なんと初めて戦隊シリーズとまでクロスオーバーしてしまいました。

コラボしたのは、当時「ディケイド」の前枠で放送していた「侍戦隊シンケンジャー」。その世界に「ディケイド」の登場人物たちがやってきたことでまぁややこしいことになってしまいます。
きっかけは「シンケンジャー」の世界のお宝を探しにやってきた海東大樹/仮面ライダーディエンド。シンケンジャーが操る折神というメカをシンケンゴールドから奪い取ったまではよかったんですが、なんと皮肉にも彼自身が「シンケンジャー」の敵である外道衆の妖怪:チノマナコに変身アイテムでもある愛銃ディエンドライバーを奪われてしまいます。

泥棒ってダメなんだぞってそんなところで教えられても困るんだけどねまず

ところがそのディエンドライバーのエネルギーを受けてか、チノマナコは理性を失い暴走。なんとディエンドライバーによって「戦隊シリーズの作品内で初めて誕生してしまった仮面ライダー」という掟破りのモンスターライダーになってしまいます。
これはもう色んな意味で一大事ですよ。番組の枠を超えて仮面ライダーに変身しちゃうんですから。

さて「ディケイド」には鳴滝という、何故かよく分からないけどディケイドを「悪魔」と敵視して因縁をつけてくる謎のオッサンがレギュラーとして登場するんですが、今回のチノマナコの顛末を知りディケイド/門矢士に「お前のせいでシンケンジャーの世界ぶち壊しだ!おのれディケイド!」ってブチギレます。

いや今回ディケイド何にも悪くねえよ無関係だよ
てか毎回割と当事者じゃねえんだけどディケイド
そもそもキレ方がメタ過ぎるよ

このチノマナコ、ディエンドの力を身につけたことで本当にヤバい奴になりました。
まず仮面ライダーディエンド自体の能力でもある、カードで他の仮面ライダーを召喚して操る力。最初はライダーの怪人を呼び出していたものの、ディエンドライバーが馴染んだのか後半には本当に仮面ライダーを呼べるようになってます。

ただ個人的に面白かったのは、もうひとつの新能力。
元来、外道衆はモノの隙間から人間の世界に湧き出てくるものなんですが、そこでこのディエンドのデザインですよ。
体中隙間ばっかりですよね。バーコードみたいに。

この体中の隙間から外道衆湧き出し放題です
何そのセルフサービス怪人

いやぁこれは面白かった。変身した直後に体の隙間からドバドバ赤い水みたいのが流れるようにして、外道衆の雑魚キャラ:ナナシがいっぱい現れるんですよ。
単純なパワーアップだけでなく数の勝負にも対応しやすくなるんですから、そりゃシンケンジャーだけじゃ太刀打ち出来ませんわ。
番組の枠を超えて共同戦線を張るシンケンジャーとディケイド一行。これを期に後年は年1くらいのペースで戦隊とライダーがコラボする作品が定期的に公開されるようになりました。まぁそのくらいに留めないと色々大変ですよね(何が)。

とはいえこの3年後に、全スーパー戦隊と全仮面ライダーがコラボする映画が作られて実際本当に大変なことになってましたけどね
数が多すぎて目が痛いの何のってねちくしょうめ

matthew


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