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特撮ヴィラン語り ~その214 宇宙化猫タマ、ミケ、クロ~

今回紹介するのは2005年の「ウルトラマンマックス」に登場した3体の宇宙化猫たち。
化猫という割には大きな目玉に細い触手と全然猫っぽくないように見えますが、一応それぞれ見て行くと猫耳がついているクロ、猫の足っぽいのが見えるタマ、そしてミケ含めて3体とも猫のような尻尾が生えているということで猫っぽさはちょっとだけ持ってたりもします。
一見割とカワイイっぽい感じの怪獣ですが、ナメちゃいけません。こいつらにはとんでもない強力な特殊能力がついています。それは――

物忘れです

えっ?ってなりますよね。うん分かる。
でも忘れるって大変なんですよ。どうします?突然モノの名前が分からなくなったら。車の運転のしかたを忘れたら。家の場所を忘れたら。日本語を忘れたら。最悪生活する術もわからなくなっちゃうわけですから。何気にめっちゃヤバいですよね。
この化猫たち、何と存在しているだけで周りの生物の記憶機能を妨害する特殊なエネルギーを発しています。つまり何もしていなくても周りの記憶を奪っちゃうわけです。いるだけでトラブルの種になるとかもうどうしようもない
撃退のためにチームDASHも早速出動しようとしますが、

・パイロットがマシンの操縦のしかたを忘れて出動できない
・操作ミスで自分の基地を攻撃する
・司令官たちが怪獣が現れたことを忘れて普通にメシ食ってる

もう防衛チームが機能してない

ダメだ、これじゃ太刀打ちできない。DASH隊員のトウマ・カイトはこっそり基地を抜け出してウルトラマンマックスに変身しようとしますが、

変身のやり方を忘れて変身できない

変身アイテムの使い方もポーズも忘れ、あれやこれやと四苦八苦した果て、どうにか色々な偶然が重なってマックスになれたはいいものの、

マックスも戦い方を忘れてしまっています

必殺光線のマクシウムカノンのポーズが分からず、珍奇なポーズを連発するマックス。何か途中でTIMの命ポーズまで出てくるし。「命ッ!」って叫んでるし。
頭部に格納されていたマクシウムソードもうっかり海に落としちゃって、ようやく拾い上げて元に戻そうとしてもしまい方が分からなくてもがく始末。ダメだこりゃ。
ただ一人、アンドロイド故に生物が効果対象である記憶障害エネルギーを受け付けないオペレーターのエリー(演じるは何と満島ひかりさんです)がおろおろする面々に的確な指示を送ることでどうにか危機を脱することは出来ましたが、逆にエリーがいなかったらマジでどうしようもなかったんじゃないでしょうか。だって誰も何も思い出せないまんまどんどん状況が悪化していくんだもん。詰みですよマジで。

ある意味最強と言ってもいいこいつらですが、何と最近になって同族の宇宙化猫であるムーが2015年の「ウルトラマンX」に登場。「マックス」を知るファンからは相当な不安を持たれていました。
しかしこちらはちょっと能力がマイルドになっていて、まず体から出すものはあらゆる機械に電波障害を引き起こす毒電波に。記憶にまつわる能力は、オナラで相手の記憶を消し去る、涙を流すと相手の記憶を蘇らせる代わりに自分が記憶をなくすという形に変わりました。
まあ電波障害を引き起こすという厄介さは同レベルですが、それでも周りにパニックを勝手に引き起こさないだけまだマシかもしれませんね。

matthew

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