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特撮ヴィラン語り ~その407 仮面ライダーG4/水城史朗~

平成仮面ライダーシリーズで初めて映画になったのって、実は1作目の「仮面ライダークウガ」ではなく、2作目の「仮面ライダーアギト」なんですねこれが。
しかもちょっと変わった作品ではあって、実質的な主役は主人公の津上翔一/仮面ライダーアギトではなく、警視庁が開発した装備を纏って戦う刑事:氷川誠/仮面ライダーG3-Xなんです。

ある日、大量に発生したアントロードの迎撃にあたっていた仮面ライダーたちの前に、G3-Xによく似た姿の黒い仮面ライダーが出現。巨大ミサイルランチャー:ギガントの大火力でアントロードを一掃してしまいます。
その名は仮面ライダーG4。G3-Xの性能強化版でありながらその危険性によって封印されたはずの代物であり、何とそのデータを自衛隊が盗用して完成までこじつけたのでした。

待って盛大に自衛隊に風評被害が被弾してないかそれ

その計画を主導したのは、自衛隊に所属する女性科学者の深見理沙。彼女はさらなるG4システムの強化のために超能力者を自らの手で育て上げ、その予知能力を組み合わせることでより完璧なシステムの構築を目指します。
そしてそんなG4システムを装着するのが、自衛隊員の水城史朗。彼はかつてアントロードの襲撃に部隊で対処にあたったもののまるで歯が立たず、その無力感から「死を背負うことでさらに強くなれる」という歪んだ信念を抱くようになり、それ故にG4の危険性も承知の上でそれを使うことを決意したのです。

さて何が一体危険なのかって話なんですが、それはG4に搭載された高性能サポートAI。このAIの働きにより戦闘をより効率的に行うといったことが出来ます。ただこちらはG3-Xにも搭載はされていたのですが、装着する人間の安全性を考慮した結果そのAIの性能にはリミッターが設けられていました。
しかしG4にはそれがない。その結果どうなるかと言うと、強さを求めるあまり人間の限界を無視した性能を発揮してしまい、装着者の命の安全が保障できなくなってしまうのです。
そしてそこでさらに補佐役として予知を発揮する役目の超能力者もまた、同様にAIの動作のために限界を超えた能力を引き出される羽目になってしまう。さながら人間でさえもシステムのパーツ扱いするという非人道的にもほどがある代物だったのでした。

だから自衛隊の風評被害がエグいて

そんなムチャクチャな計画を知ってしまった氷川は、G4システムを破壊しこれ以上の犠牲を出さないために戦うことを決意。人として生きるために戦う氷川と、死んでもいいとなりふり構わず強さを求める水城の壮絶な戦いがこの映画のクライマックスを飾ります。
ただ分かってると思いますが実際の自衛隊はここまで酷い組織じゃないんでそこだけはホント謝ってもらいたいですね(何)

matthew


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