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特撮ヴィラン語り ~その198 ドラゴンオルフェノク/北崎~

「仮面ライダー555(ファイズ)」において中盤から登場し、幾度となく仮面ライダーたちの前に立ちはだかったオルフェノクの上位集団がいました。
彼らの名は通称「ラッキークローバー」。オルフェノクたちに指示を送る謎の巨大IT企業「スマートブレイン」の依頼を受けて動く外部チームのような存在で、一応はスマートブレインと対等な関係であるとして立場を主張しています。

「幸せの四つ葉」という名前から分かる通り、メンバーは4人。
ところがなかなかフルメンバーが揃わないんですこれが。1人がなかなか集まりに顔を出さなかったり、あるいは誰かがやられてしまって補充メンバーを誰にするかで色々大変だったり、大体誰かが欠けてるんですよねいつも。
まぁ四つ葉のクローバーってなかなか見つからないからこそ、見つけたら幸せになるって言われてるんですけどね。

そら負けるわ四つ葉揃わねえなら幸せでもなんでもねえし(身も蓋もねえ)

さて、そんな「ラッキークローバー」の中でなかなか集まりに顔を出さなかった問題児というのがこの北崎くん。
彼らの拠点は、メンバーの一人である影山冴子が経営するバー。初期メンバーの黒人男性ジェイ、インテリ気質の琢磨逸郎はその常連客でもあり、それぞれお決まりのカクテルがあるんですが、

北崎くん、未成年なんでお酒呑めないんです

なので、彼の指名カクテルは冴子さんに呑ませるようのもの。しかし自分で呑まない理由は他にもありました。いやまあ未成年なのに普通に呑んだらそれはそれであかんけどさ。
もうひとつの理由、それは彼が持つオルフェノクとしての強力な特殊能力。「ラッキークローバー」の面々は人間の姿のままでも光弾を放ったり念力を駆使するなど様々な超能力を発揮できるんですが、北崎くんはなんと触れたものを灰に変えてしまう恐ろしい能力の持ち主。しかもそれを本人も自由にはコントロールできていないんです。
せっかく飲み物を頼んでもうっかり灰にしちゃったら勿体ないですね。

そんな北崎くんは、ボサボサのパーマ頭でサイズの合わない女物のシャツを着こなすアンニュイな少年。
しかし持って生まれた強さ故か無邪気に残酷な性格で、特に琢磨に対してその「灰に変える能力」を使った様々なイタズラ(あるいはイジメ)をして楽しむのが趣味。
おかげで強キャラだったはずの琢磨の株がどんどん下がっていき、視聴者からも「ヘタレ」といじられる始末に……哀れ琢磨。
しかし変身後にあたるドラゴンオルフェノクは、そんな華奢そうな北崎くんの見た目とは真逆のゴツい巨体の持ち主。両腕に装着したドラゴン頭の装甲で激しく敵を殴打し、雷撃による遠距離攻撃にも対応可能。
さらに、鎧を全て脱ぎ捨てた俊敏な形態になると目にも止まらぬ高速移動で敵を翻弄。パワーとスピード、両面に死角のない最強のオルフェノクです。
毎回登場の度にライダーたちを圧倒し、最後まで強敵のイメージを崩すことなく立ちはだかってきました。

さてやはりオルフェノクといえば語りたいのが秀逸なデザイン。
まず鎧姿のほうですが、よく見るとオーバーオールみたいに肩にかかる帯が腰から出てるんですよね。ムキムキマッチョの上裸にオーバーオール、漫画や格闘ゲームでありそうなパワーキャラって感じの見た目に見えなくもないw
鎧を脱ぎ捨てると、頭に龍の角飾りがついてるんですが、全身を見てるとむちゃくちゃ既視感たっぷりの細身なスタイル……

これアメコミの「スポーン」じゃね?

そういや当時実写映画が公開されたり、色々ゲーム出たりして流行ってたもんなあ……

まさかのアメコミオマージュが入った強敵怪人。
今だったら「アベンジャーズ」モチーフの怪人なんか出てくるのかなもしかしたら。それはそれでちょっと面白いかもですね。

matthew

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