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特撮ヴィラン語り ~その279 シュバルツ将軍~

志尊淳さん、横浜流星さんといった人気イケメン俳優を輩出した「烈車戦隊トッキュウジャー」。この作品のもう一つの見どころが、敵勢力にあたる闇の路線:シャドーラインの勢力争い。
闇の皇帝ゼットの力と地位を密かに狙う幹部たちが水面下で密かな争いを繰り広げ、しかしその暗躍をゼットが圧倒的な力と恐怖でねじ伏せるという、ドロッドロのドラマが1年間裏で進行し続けました。

主役であるはずのトッキュウジャーの面々が賑やかしに見えるくらいだったのはさすがにどうかと思ったけどさ

そんなシャドーラインの中でゼットに続いて存在感を残したのがこのシュバルツ将軍。色々な策謀を巡らせる他の幹部たちと違って、正面から武力をぶつけて戦果を挙げることを好む軍人気質のキャラです。
その高潔さは、シャドーラインに属しながら勢力争いを嫌う純真なグリッタ嬢の心を虜にし、玉の輿で娘とゼットをくっつけようとするノア夫人の思惑とは裏腹に想いを寄せられます。

そうなんですシャドーライン側のドラマって一昔前の少女漫画みたいな話なんです

グリッタ嬢の想いを知りながらも、当初シュバルツ将軍は大して興味を示さずストイックに作戦遂行にひた向きでした。
しかし、以前に不要なものとして捨てたハンカチをグリッタ嬢がずっと大事に持っていたことを知るとその想いに心を動かされ、以降はグリッタ嬢の想いに応えて段々彼女のために行動していくことに。
もちろん最終的にはゼットを乗り越えてのし上がろうという野心もあるんだけど、そのためにグリッタ嬢を利用しなくてはならないことを「申し訳ない」と詫びてみせたり、ゼットに吸収されたグリッタ嬢を助け出そうと皇帝に反乱を起こして正面から挑みかかったり。

ああいるよねこういうツンデレって感じの活躍っぷりですマジで

そして面白いのが、このシュバルツ周りのドラマの広がり。
グリッタ嬢との関係ももちろん大きなトピックなんですが、実はトッキュウジャーの追加戦士にあたるトッキュウ6号:虹野明との因縁もあるんです。
元々、明はシャドーラインに属するザラムという怪人で、かつてシュバルツとは戦友として共にしのぎを削った戦友でもありました。
2人は「闇の恐怖ではなく烈車を走らせて地上の世界を支配しよう」と同じ夢を語り合った仲だったものの、いつしか人々を不幸にする自分の力を呪いシャドーラインを抜けたザラムはトッキュウジャーが属するレインボーラインの保線員に。
そんなわけで、かつての戦友が敵同士で戦うというもう1つのトピックも背負っているのです。

自分専用にカスタマイズした闇の烈車:クライナーが変形するロボも乗りこなし、あくまでも武力で迫る強敵シュバルツ将軍。
しかしながらその愚直さ故に決して憎み切れない、魅力的なキャラだったのではないでしょうか。

matthew

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