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特撮ヴィラン語り ~その139 幻獣ドラゴン拳ロン/無間龍~

歳を重ねて来ると、特撮作品の役者さんを見た時に「あっこの人確かあのドラマや映画に出てた!」みたいになる機会ってめちゃくちゃ増えるんですよ。逆にドラマや映画で特撮出身の人を見るとかね。
特に最近はもう、そこからブレイクする若手俳優の方々も増えて来ててね。そういう役者さんにも注目して特撮を見るのも面白いかなと思うんですが。

さて、今回紹介するのは「獣拳戦隊ゲキレンジャー」でラスボスを務めたロン。慇懃無礼な態度が特徴の金髪の青年です。
正義の拳法ビーストアーツと悪の拳法アクガタの対立を軸にしたストーリーの中で、ロンはアクガタの面々に接触しながら言葉巧みに彼らを翻弄し、遂にはストーリー後半で自らが幻獣拳という別勢力の戦士だと明かし、まんまとアクガタに取って替わります。

この幻獣拳のキャラがみんなカッコいいんですよデザインがね。金色の鎧を纏ってて、胸にはモチーフになった生物の顔があしらわれて。
12体いる幻獣拳の面々は特に複数モチーフを組み合わせる形になってて、12という数から干支の生物を、さらにはそれにちなんだ伝説上の怪物をモチーフに採用。
おまけにその中の四天王的な立ち位置にいるキャラは、中国の伝説で東西南北の方位を守る聖獣もモチーフ(朱雀、白虎、玄武、青龍)になってます。

モチーフだけで頭パンクしそうだよ

ロンはもちろんドラゴンがモチーフ。干支にも辰ってありますしね。そして幹部ということで青龍もモチーフです。胸にびっしりたくさんの竜の顔が並んでてゴージャス感たっぷりです。
ロンの目的は、ビーストアーツを裏切り強さを求めてアクガタに入門した青年:理央。家族を失い弱さがトラウマになった彼を幻獣拳に引き入れて最強の戦士に育てようとしました。
まるで理央の過去を知っているような思わせ振りな態度が目立つコイツの正体はーーなんと不死身の怪物である無間龍。永遠の命を生きるがゆえに何をしても退屈過ぎたので、気まぐれに理央の人生を狂わせただけだったのです。

人生長過ぎてもよくないんですかね
まあ織田信長も「人間五十年」って歌ってたしね(比較そこかよ)

さてこのロンを演じたのが誰かって話なんですが、その方は川野直輝さん。
今は役者を引退されたらしいんですが、実はかつてジャニーズJr.で一世風靡したスゴい方。90年代を知ってる方はきっとこの言葉でピンと来るはずです。そうーー通称「怪談トリオ」。
今のジャニーズの社長であるタッキーこと滝沢秀明さん、その相方としてユニットを組んでいた今井翼さんと3人で、「木曜の怪談」という番組内の人気ドラマシリーズ「怪奇倶楽部」の主演を務めていたのです。

さあ平成生まれの皆さんついてこれてるかな!

これ以降、「仮面ライダーW」「仮面ライダーウィザード」にも川野さんは出演されてますが、いやーびっくりしましたよ。ジャニーズを退社してから全然メディアに出てこなかったのが急に悪のラスボスですからね。
そんでさすがは元ジャニーズ。美形だし何着ても似合うのね。ロンの人間体のトレードマークである赤いロングコートにマフラー、どれも絵になってね……
まぁジャニーズに在籍しながら特撮に出るってパターンないですからね。V6長野さんがやってた「ウルトラマンティガ」以外だと。
全然話違うけど、こないだ終わった「ウルトラクロニクルZ」で「ティガ」のエピソードダイジェストやってた時に、主役のダイゴが出るシーンだけ全カットしてたんですよ。なんかねー、ギャラや肖像権の問題か知らないけどあれはどうかと思いましたよ。だって主役映さないってあんまりでしょ。
引退した役者さんだって普通に映像出してるんだからさ、そこはもうちょい寛大になって欲しいよジャニーズさーん。

You映像使わせてあげなさいよー。

matthew

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