見出し画像

特撮ヴィラン語り ~その208 ダークルギエル、ビクトルギエル~

2013年「ウルトラマンギンガ」を皮切りに始まった通称「ニュージェネレーションウルトラマン」シリーズもいよいよ次の作品で10作目を迎えます。
他の特撮ヒーローシリーズ以上に何度も中断を挟みながらやってきたウルトラマンシリーズが、こうしてほぼ毎年新作を公開出来ているっていう現状は改めてファンとして喜ばしい限りでございます。

さて、その「ウルトラマンギンガ」におけるラスボスとなったのがこのダークルギエルでした。真っ黒な彫像のような禍々しいフォルムながら、どこかウルトラマンにも通ずる顔立ちの堂々たる姿。
あらゆる生物の生命活動を停止させてスパークドールズという人形の姿に変えてしまう強力な特殊能力を持つが故に、ウルトラ戦士や怪獣・宇宙人たちがスパークドールズとなって地球に降り注いだことが「ギンガ」の物語の始まりでした。
配下となった悪の宇宙人たちは怪獣のスパークドールズを密かに人々に与え、その心の闇のエネルギーをダークルギエルに捧げることでその復活を目論みます。それを阻止しようと地球にやって来たのがウルトラマンギンガ。
ギンガと一体化した青年:礼堂ヒカルは怪獣となった人々を元に戻し、その心の闇を取り除きダークルギエル復活阻止のためと友人たちと共に奔走します。

要はやってることはスケールのでかいお悩み相談ですね(酷)

まあちょっとここは「ウルトラマンらしくない」って当時はちょっと叩かれたりもしてたんだけど、新しいTVシリーズを長期的にやれるほど予算も潤沢ではなかったし、大変な中での試行錯誤だったんだと思います。

そのうっ憤を晴らすかのようにド派手な怪獣特撮に戻ったのが続編の「ウルトラマンギンガS」でした。ぶっちゃて言うとまあダークルギエルは「ギンガ」で倒されてるんですが、その復活を目論んでかつての部下であったチブル星人エクセラーが様々な侵略作戦を実行します。その目当ては地底に眠る絶大なエネルギーを秘めた結晶体:ビクトリウム
度重なるエクセラーの作戦に警戒を強めた防衛組織:UPGの司令官は独断でビクトリウムのエネルギーを兵器転用したビクトリウムキャノンの開発を命じ、反発する隊員たちを排斥しながら強硬路線に出ます。山一つを消し飛ばす威力の兵器なんてまあ使い方間違えたら大変な大惨事になりますからね。過剰防衛もいいところ。

それに大体こうやって調子こいて新兵器作るとさ、敵にとられるのが特撮のあるあるなんで(身も蓋もない)

案の定、エクセラーは大量のビクトリウムを占有したビクトリウムキャノンごと奪ってしまおうとUPG本部を奇襲。見事に本部は乗っ取られ、大量のビクトリウムのエネルギーを捧げることでダークルギエルは復活。UPG本部基地とビクトリウムキャノンを肉体に取り込んで融合したビクトルギエルに変貌するのでした。
さすがに特撮あるあるで予想出来た展開とはいえ、まさか基地ごと怪獣になるとは思いませんでしたね……背中から管制塔がそのまんま生えてるし。
当時はUPG基地の玩具も出てたんですが、玩具でも基地がパカッと開いて中からビクトルギエルが現れる変形ギミックがついてたんですよ。

パカッと開いて顔出すラスボスってどんな玩具だよ

こうして、ニュージェネシリーズ最初のラスボスキャラとして鮮烈な印象を残したダークルギエル。その後も復活のたびにウルトラマンギンガのライバルのようなポジションに立ち、その闇の力を遺憾なく発揮しています。
近作のウルトラシリーズを語るなら間違いなく外せないキャラなんじゃないでしょうか。

matthew

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?