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特撮ヴィラン語り ~その31 ビショップ/スワローテールファンガイア~

毎回特撮シリーズの新作が発表されるたびに、怪人のデザイナーを誰が担当するのか真っ先にチェックしたがるわたくしmatthewですが、その中でも篠原保さんのデザインが特に一番好きで。
こう、怪人デザインに怖さだけでなくスタイリッシュさを取り入れたパイオニアだと思うんですよ。コンセプトも緻密だし。

その中でも、2008年放映の「仮面ライダーキバ」に登場するファンガイアは究極じゃないかと。
まずステンドグラスを思い起こす華美な表皮ね。めちゃくちゃ細かいんですよ配色が。

まさに塗り絵殺し

そして、吸血鬼=コウモリということにちなんでか空を飛ぶモチーフの定番である鳥の怪人がいない。しかしそのステンドグラス調の体にだまし絵のように鳥モチーフをさりげなく入れ込むという。

隠し技に手が込みすぎている

今回紹介するスワローテールファンガイアは、その中ではまだ分かりやすいデザインかなという一例です。
モチーフはアゲハチョウ。顔で分かりますよね、多分クロアゲハなのかな細かく言うと。
そして鳥の要素は角の部分で、白鳥の頭部になってます。

しかしそれ以外にも見所がいっぱい。
右腕は花をちりばめたようになってるし、左肩には女神の彫像のようなものが突き出していて。この彫像のデザインはファンガイアの上級幹部:チェックメイトフォーにだけあるものなんですが、

もうこんなにコンセプト入れすぎたら歩く美術館だよファンガイア

スワローテールファンガイアの人間体には名前がありません。
チェックメイトフォーの面々にはその名の通りチェスの駒にちなんだ役職が割り当てられていて、彼の場合はビショップという称号でそのまま呼ばれています。
ビショップの役割はファンガイアの種全体を存続させるためのブレーン。他のチェックメイトフォーとの連絡係を務めたり、裏切り者がいないかと全体に目を光らせるなどといった裏方がメインです。
またチェックメイトフォーは世襲制なので、新しいキングやクイーンの教育係も請け負います。

やること多すぎじゃないトップでもないのに?

演じる村田充さんの細身で長身なルックスも相まって、神経質そうなヤバい悪役の雰囲気がぷんぷんでした。

「仮面ライダーキバ」はキバに変身する主人公の紅渡が生きる現代の物語と、父親である音也が生きていた過去の物語を並行して描く複雑なストーリーでした。
ビショップとルークの2人はチェックメイトフォーの中では代替わりしなかったんですが、どちらの時代でもビショップって苦労人なんですよねー。

過去ではクイーンの真夜がファンガイアの一族の掟を破って人間である音也と結ばれたことを知って、ファンガイアの力を奪って追放。
現代ではキングである大牙を裏切って殺そうとした現代のクイーン:深央を処罰して殺害。しかし本気で彼女を愛していた大牙がそれに激怒して、ビショップをボッコボコにするわけです。

……あれ?ビショップ普通に真面目な仕事しただけよね?
なんか周り酷くない?

その結果ブチギレたビショップは、「あんなヤツはキングに相応しくない!」と死んだファンガイアを蘇らせ、その魂を生け贄に過去のキングを復活させます。
その時に急にイメチェンしたのか、

めっちゃ目付きが人間やめてました。

しっかし本当にファンガイアはデザインが凝りまくってて、雑魚怪人に至るまですぐにやられるのがもったいないくらいなんですよねー……是非原画を見る機会があったら見ていただきたいもんです。

matthew

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