特撮ヴィラン語り ～その269 ヤツデンワニ～

2022年、サプライズ的に発表となった「爆竜戦隊アバレンジャー」20年ぶりの新作発表。
ここ最近スーパー戦隊シリーズでも歴代メンバーが結集してアニバーサリーの新作を製作するというのが恒例化してまいりましたが、遂にその波が「アバレンジャー」にもやって来ました。しかも現在役者を引退している方もこの作品のためだけにカムバックするというね。世代の人たち大歓喜ですよそりゃもう。

ただそんな新作の一報が入った際に、当時のファンはみなあることを懸念していました。それが今回紹介するキャラクター：ヤツデンワニの去就。
一応は悪役キャラではあったんですが、劇中で改心しその後レギュラーとして物語にほぼ毎週のように登場した挙げ句、「アバレンジャー」以降の戦隊シリーズVシネマでも頻繁に顔を出すという、実質マスコットキャラのような扱いを受けておりました。

マスコット的な見た目じゃないよねうんまあ分かるよ

でもちゃんとした大きな理由があるんです、これにはね。

元々ヤツデンワニは、エヴォリアンという異次元の侵略者たちによって生み出された怪人。エヴォリアンの怪人は主に2種類が存在し、クラシックの楽曲をモチーフに幹部ヴォッファによって生み出される巨大怪物：ギガノイドと、地球上の動物・植物・その他の物体の3つの要素をモチーフにかけ合わせて幹部ミケラによって生み出されるトリノイドに分かれます。
ヤツデンワニはトリノイドの第12号として生み出されたものの、性格にクセがあり過ぎて早々にミケラに手放されたという失敗作。そんなに悪事に積極的ではないものの、何せ性格や能力がまあ厄介だったために人間界でもたびたび騒動を巻き起こしました。

厄介な理由その1：音痴
ヤツデンワニは歌うことが大好きなんですが、とにかく酷い音痴。歌声を聴いた人間に脳震盪を引き起こしてしまいます。ジャイアン超えてるよ。

厄介な理由その2：軽蔑されるのが大好き
ヤツデンワニの性癖なのか、冷たくされたり軽蔑されるとその相手に恋をしてしまいます。劇中ではアバレイエロー/樹らんるに邪険に扱われたことから彼女に一目惚れし、以降ストーカーのように立ち回ります。こんなのに付きまとわれたら怖すぎる。

厄介な理由その3：頭の電話で好きな相手に電話出来る
ヤツデンワニ頭部にある電話は、何と本人がかけたいと思った場所ならどこだろうと電話を繋ぐことが出来ます。たとえ別次元のエヴォリアンのところだろうと、ストーカー的に大好きなアバレイエローのところだろうと、どこへでも。だから怖いって。

今のところマスコットになり得そうなポイントが一つもないんですが

いいや、そんなことはないんです。
何故なら最後のトピック1つで全てを覆せるほどの逆転大ホームランが望めるんですから。
そんなヤツデンワニの声をあてたのは誰かといいますと

なんとあの「ニャンちゅう」でおなじみ津久井教生さんなんです
はいヤツデンワニ大勝利

そりゃあね、子供たちが知らないわけないんですよ。聞いたことがないわけがないんですよ。あのニャンちゅうだもの。「おねいさ～ん」ってあの声で言われたらどんなことされてもまあ許しちゃうじゃないですか。しょうがないもん、ニャンちゅうなんだから。ニャンちゅうに罪はないじゃん？

まあニャンの要素もちゅうの要素もねぇけどなヤツデンワニ！

matthew