見出し画像

特撮ヴィラン語り ~その299 巨獣ゾーリム~

デカさとは強さである

いや、やっぱりこれって真理だと思うんですよ。デカいだけでやっぱり強そうだし怖そうだし、大きさって分かりやすいバロメータですよね。
巨大ヒーローの代表格といえるウルトラマンもまさしくそんな強さの象徴。怪獣と巨体をぶつかり合わせて地球のために戦う姿の雄大さ、強そうっていう印象付けには十分過ぎるほどです。

でも、そんなウルトラマンすらも見上げるほどの巨大な敵がいたとしたら?

平成以降のウルトラマンではCGの合成技術が向上したことで、そんな絶望的なシチュエーションもどんどん増えていくようになりました。
その中でも個人的に印象的だったのが「ウルトラマンガイア」に登場したこのゾーリム。ドラマ中盤のクライマックスを盛り上げてくれた立役者でした。

ガイア/高山我夢とアグル/藤宮博也。地球を守りたいという根本の目的は同じながら、人類を守るべきか排除すべきかという思想の違いで対立してしまった2人のウルトラマン。しかしそんな対立の根本には、地球人類の排斥を企む謎の存在:根源的破滅招来体の干渉がありました。
藤宮が主導となってかつて開発していた高性能コンピュータ:クリシス。「地球を守るためには環境を汚す人類を排除すべき」とクリシスが弾き出した結論が藤宮をその方向へと走らせたのですが、実はクリシスはすでに根源的破滅招来体によってハッキングをかけられていました。つまり藤宮もまた根源的破滅招来体にいいように利用されてしまっていたのです。
その思惑によって何度も激突を繰り返したウルトラマン同士のエネルギーの余波が空間を歪め、生まれた巨大なワームホールから根源的破滅招来体が呼びよせた巨獣ゾーリムが顔を出し、地上への攻撃を開始します。

ウルトラマンを丸呑み出来るほどの顔のデカさです(顔だけじゃねえわデカいのは)

自分が利用されていたことを知り絶望した藤宮は、アグルの力を我夢に託して失踪。その想いと力を受け継いだ我夢は、2人分のウルトラマンの力が合わさったウルトラマンガイアV2へと変身。
そしてそこから力を最大限に開放したウルトラマンガイア・スプリームヴァージョンへとパワーアップし、ワームホールから完全に出現しようとするゾーリムへ果敢に突撃していきます。
そう。2人のウルトラマンの対立が解消し、そして主人公がパワーアップするという一大イベントの敵役として登場したのがこのゾーリムだったのです。
最終的に体内に呑み込んだガイアの必殺技:フォトンストリームを内側から発射されたことによってゾーリムは撃破され、根源的破滅招来体の目論見はいったんは破られることになりましたが、まあしかしこのゾーリムの巨体はホント子供心に絶望でした。
しかもその後もちょくちょくウルトラマンより遥かにバカデカい怪獣が「ガイア」には出て来るもんで、主題歌の歌詞にある「ピンチの、ピンチの、ピンチの連続」っていうフレーズがまさしくぴったりの展開でしたね。その代表格として、非常に印象的な怪獣だったと思います。

matthew


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?