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特撮ヴィラン語り ~その389 メ・ガルメ・レ~

平成仮面ライダー第1作目「仮面ライダークウガ」の大きな特色の一つと言えるのが、敵となる怪人種族:グロンギが使うグロンギ語
グロンギ一族だけが理解出来る古代語ということで、彼らの発する言語はその大半がグロンギ語になっており、仲間同士で話し合っているシーンが登場するとマジで何言ってるのか誰も視聴者が理解出来ないという不親切設計になっております。

もっともそれで終わらないのが特ヲタなんですけどね
途中から解読を頑張る視聴者が出て来た時には正直引きました

しかしグロンギは知能も高いので、現代社会に潜伏する中でその文化などを恐ろしいスピードで学習していきます。その結果後半からは日本語での会話の割合がどんどん増えていき、人間相手にも問題なく会話が可能なレベルに。
特にその会話劇の中で存在感を発揮したのが、このメ・ガルメ・レでした。カメレオンの性質を持つ怪人で、自称する異名は「舌から生まれたメ・ガルメ・レ」。カメレオンだけに姿を透明にする能力を持ち、自在に伸びる舌を使って獲物を絞殺する手口を好みます。

グロンギたちの慣習である殺人ゲーム「ゲゲル」にて、下級プレイヤーの「ズ」が初期ランクだった彼は、その透明化能力を駆使することで誰にも気づかれることなくノルマとして課された殺害数を難なくクリアし、その成果から見事「メ」に昇格を果たしました。
弁の立つ性格やこのような狡猾さが何よりガルメの特徴であり、現代社会の中で最も先に人間の言葉に興味を示すようになり、どんどん流暢になっていきます。
やがて警察が仮面ライダークウガ/五代雄介と連携して自分たちの「ゲゲル」を邪魔しつつ、その謎を追っていることを察知すると、ここで逆にやる気になるのがガルメ。何と覚えたての人間の言葉を敢えて使って予告殺人を計画、追って来た刑事たちに対して得意げに「俺たちはただゲームをしているだけだ。それ以上の目的はない」と敢えて全てをバラしてしまいます。

歴代仮面ライダーシリーズの中でも最もヘイトを集めるであろう敵組織、グロンギの所以がここにあります
おかげで残酷過ぎると苦情が殺到したそうですからね当時

そんな「クウガ」放映から25年経ったと思うと、ホント時代は変わったなぁと。今ってなかなかそこまでの過激な描写は入れられないんで、直接的に誰かが死ぬようなシーンはやりづらくなってしまったし、悪役側も人命を奪うより人間を苦しめて絶望させることが手口のメインに移行してしまって。致し方ないことなんでしょうけどね。
絶対今の時代じゃこんなグロンギみたいな連中は出せないと思います、今考えると。

…まあ当時もだいぶ苦情来てたから本当は出しちゃいけなかったんだろうけどさ

matthew

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