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特撮ヴィラン語り ~その297 パーフェクト・ガンマイザー/アデル~

2016年放映の「仮面ライダーゴースト」から、今回は作中で敵側のメインヴィランとして中盤から存在感をきかせるようになったアデルを紹介します。結構「ゴースト」って設定がめんどくさいところが多いんですが、敵側に絞って言うとシンプルに王族の内部分裂というか、王位継承権を巡る家族同士の衝突が軸にあったりするんです。

異世界に拠点を構える眼魔一族の王:アドニス。彼には4人の子供がいました。アデルはその中の次男坊ですが、母が病で亡くなった際に「同じ病で国の人々が死んではならない」と考えたアドニスの行動を「家族を見捨てた」と捉え、内心で強い憎しみと野心を抱くようになります。

長兄のアルゴスはかつて眼魔世界で起こった戦争で家族を庇って戦死(劇場版にて登場)。
長女のアリアは穏健派で人間たちとの争いを好まず、事態を静観する慈悲深い人物。
末っ子のアランは人間世界侵攻の中心人物として積極的に行動しながらも、人間世界の美しさを実感し、人間への理解を示すようにもなりました。
しかしアデルにとって、もはや家族であっても「敵」。アドニスが人間世界への侵攻に迷いを抱き始めたことを知ると、あっさりアデルは父を殺害。その罪をアランに着せ、新たな王となってより強硬手段に乗り出すようになるのでした。
なかなかに清々しい外道っぷりですが、このアデルがまあホントイケメンなんですよ。端正な美形。なかなか近年の作品でもこんなに整った顔の悪役っていないと思いますね。

そんなアデルは、中盤にて眼魔世界の守り神とも言えるガンマイザーという存在に接触。15体存在するガンマイザー全ての力を自らに取り込むことでパーフェクト・ガンマイザーへと変貌を遂げます。
蓮の花を頭からすっぽりかぶり、巨大な数珠のような首飾りを身につけた何とも宗教的なデザイン。「ゴースト」の敵キャラってデザインを担当した漫画家の島本和彦さんの作風からか、ちょっと古臭いというか昭和の漫画っぽいコミカルな姿が多かったんですが、割とそこからいい意味で乖離している感じですごく好きなデザインです。

さて、そんなアデルの目指す人間世界侵攻の目的は「完璧な世界の創造」。そのためには死も生もなく、また個人の意思もなく全てが一つに統一されなくてはならないという考えに至っています。

あれ、宗教的かと思ったら急にSF小説の理想世界みたいなこと言い出したぞ?

そして彼と一体化したガンマイザーたちは、各々が人間の姿を象ったアバターを得て行動出来るようになります。そのアバターの顔は、彼の理想を体現したかのようにアデルと全く同じもの。

やっぱりSFになってますよね?「マトリックス」とかそんな話だよね?

そして人間世界侵攻の仕上げとして、アデルは巨大コンピュータと自らのガンマイザーの力を融合させ、眼魔世界の人々も人間世界の人々も全てを自分と同じ存在にしてしまおうと

「マトリックス」のエージェントスミス大量発生やんそれ!
もう言い逃れ出来ないほどSFやんそれ!
宗教の要素どっかいってるやんそれ!

死生観というちょっと宗教染みたテーマから、突然SFが始まっていく意外な展開。この辺りがまあ「ゴースト」の設定のややこしいところではあるんですよね。解説しようとすると1万字超えそうなんでやめておきますが(爆)
とりあえず物語後半はアデルが集団発生する話だと思ってください(雑だよ)。

でも割と放映当時SNSではそういういじられ方してたんだよなぁアデル……

matthew

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