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特撮ヴィラン語り ~その129 ヘルズ3兄妹~

スーパー戦隊シリーズの中で「特捜戦隊デカレンジャー」が異質なのって、敵が明確な組織じゃなくてあくまでも個々に独立した犯罪者でしかないっていうところなんです。刑事モノというフォーマット上、背後に暗躍する闇のブローカーとしての黒幕はいるけど、毎回起きる事件自体はバラバラで繋がりを持たせないようにして、ヒーローモノなんだけどそれ以上に刑事モノの面をより強めている。
そんな「デカレンジャー」の中で、あえて旧来の「悪の組織」的な立ち回りを見せたのがこのヘルズ3兄妹。リバーシア星出身の犯罪者3兄妹で、劇中では79の惑星で大量殺戮や破壊活動を行ってきた超危険人物でした。
ちなみにリバーシアの由来は有名な「網走(あばしり)刑務所」のアナグラム。こういうアナグラム的なネーミング、「デカレンジャー」では多いんですよ。

個人的にツボったのが、全然関係ないけどカーサスってやつね。「火サス」ですよ。火曜サスペンス劇場ですよ
今どきの若者絶対わかんねえよこれ

さてヘルズ3兄妹に話を戻します。
まず末っ子は唯一の紅一点キャラであるサキュバス。唯一の顔出しキャラでまあ本当に性格が悪い。デカイエロー/ジャスミンが手で触れたモノからイメージを読み取るエスパーと知ると、敢えてその手に触れて自分たちが襲ってきた星々の惨状を見せつけて、絶望を植え付けにかかるという大胆かつ悪辣な思考の持ち主です。

しかしそれ以上にこの全身タイツみたいなぴっちりスーツに果たして何人の男子の嗜好が歪められたことでしょう、悪い女です(そこじゃない)

次男であるボンゴブリンは、怪力自慢ではあるものの頭が悪いという典型的な脳筋キャラ。サキュバスと共に先に地球に乗り込んで兄を迎え入れる準備を整えていました。
喉ちんこに強い衝撃を受けると体が巨大化してしまう特殊な体質持ちで、劇中でもデカレンジャーたちによって、口の中にゼロ距離でぶち込まれたディーバズーカの衝撃を受けて巨大化してしまうんですが、その急な巨大化の反動からか全身が筋肉痛になるのが本人も嫌なんだとか。

筋肉に裏切られてますねえこいつ(何で筋肉体操?)

そして満を持して遅れてやって来たのが長男のブリッツ。単独での戦闘能力はもちろん高く、デカレンジャーの上司であるドギー・クルーガーが変身したデカマスター相手でも負けないほど。
兄妹の犠牲を意にも介さない邪悪な精神の持ち主で、その容赦のなさから地球で暗躍していた闇の商人:アブレラも「こいつらが来たらもう地球で商売出来ないな」と諦めすら抱くぐらいでした。まあそんなこと言いながらも一応戦闘用ドロイドや巨大ロボットとかの商品はキッチリ買わせたんですけどね。

でもなんで長男だけ稲妻モチーフなのよ
怪物モチーフでそこは揃えてよ、急に兄貴しょぼく見えちゃうよ(おい)

戦闘員代わりのドロイドたち、巨大戦力である怪重機ゴッドパウンダー、そして先に地球に到着していたサキュバスたちによって作らせた秘密基地的なモノと、一通り悪の組織らしい戦力を揃えたヘルズ3兄妹。
彼らとの戦いは「デカレンジャー」における追加戦士:デカブレイク/テツの初登場エピソードにもなります。そういう意味ではいわば噛ませキャラとして登場したわけなんで、結果的にあまり長命ではありませんでした。
従来なら悪の組織としてガッツリ物語の裏で立ち回るんだろうけど、敢えてそうならなかったってのが「デカレンジャー」の面白いところだなぁとは思いますね。

matthew

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