【今週のアメリカ大学野球】アーカンソー大SECトーナメント優勝/アレックス・ビネラズ1試合3HR【15週目】

 こんにちは、あまなつ(@MattDavidson91)です。
2/19に開幕したアメリカ大学野球(NCAA1部)も15週目が終了し、全てのカンファレンスでレギュラーシーズン・プレーオフが終了しました。
そして、現地時間6/4から、64校がカレッジワールドシリーズ制覇に向けて戦う、NCAAトーナメントが始まります。
当面は、カレッジワールドシリーズ終了まで、毎週アメリカ大学野球の注目トピックを4-5つ紹介していきます。

1.アーカンソー大SECトーナメント優勝

 13週連続全米1位&14カード連続勝ち越しと、圧倒的な強さでSECのレギュラーシーズンを制したアーカンソー大(42勝10敗)は、プレーオフでも好調でした。
初戦のジョージア大は2回に一挙6点を奪い先制すると、その後も着実に得点を積み重ね11-2で快勝。
 2戦目の全米2位のバンダービルト大戦では、エースのパトリック・ウィックランダー(3年/LHP)3.2回3失点で降板するも、3回にマット・グッドハート(4年/DH)のツーベース、キュレン・スミス(4年/3B)のタイムリーで3点をもぎ取り逆転。
5回にも1点を追加し、最後は恒例のケビン・コップス(4年/RHP)の9アウトセーブで試合を締め、6-4でライバル対決を制しました。

 準決勝のミシシッピ大戦では、初回にスミスのHRで2点を先制するも、5回にジェイコブ・ゴンザレス(1年/SS)の2点タイムリーツーベースで同点に。
しかし、すぐさま6回にジャレン・バトルズ(3年/SS)のツーベースで1点を追加し、そのまま継投で3-2で逃げ切りました。

 そして、決勝は東地区1位&4戦目計29得点5失点と好調なテネシー大と対戦。
1回に1点を先制されましたが、5回に3点を奪い逆転。
7回にはダメ押しとなる3点を追加し、最後はコップスが3回を1失点に抑え、7-2で快勝。
見事1985年以来2度目のトーナメント優勝を果たし、第1シードを獲得しました。

 同大はHR数全米3位・得点数11位の打撃力と守備力が持ち味のチームで、3/20以降連敗なしと非常に安定しているCWS優勝最有力候補。
センターラインの守備力は全米トップクラスです。

2.アレックス・ビネラズ1試合3HR

 レギュラーシーズン終盤の14試合を4勝10敗で終え、NCAAトーナメント進出が危うい状況まで追い込まれたルイビル大(27勝22敗)。
その中で、アレックス・ビネラズ(3年/3B・1B/MLB公式70位)が活躍しました。
 ビネラズは開幕9試合目まで打率0割台・13試合目までHRなしと、ドラフト上位候補の中でも最悪と言っていい程の不振で、大きく評価が急落。
 しかし、4/6のケンタッキー大戦で5号HRを放つと、そこから7試合連続安打を記録。
4/16-18のバージニア大戦で3試合連続HR・5/2-5/8には4試合連続HRを放つなど、尻上がりに調子を上げていました。
そして、ACCトーナメント初戦のクレムソン大戦ではなんと3HR含む5打数4安打6打点の大活躍で、15-10で凄まじい打撃戦を制しました。
 2戦目のジョージア工科大戦も打撃戦となり、ビネラが11回表にビネラが勝ち越しソロHRを放つも裏に追いつかれ、12回裏にサヨナラツーベースを打たれ8-9で敗戦。
2010年代勝率・勝利数全米1位(470勝177敗、勝率.726)の強豪が、10年振りにNCAAトーナメント出場を逃しました。

ビネラズ

3.デューク大ACCトーナメント優勝

 終盤8連勝でシーズンを終え、ノリノリの状態でACCトーナメントに乗り込んだデューク大(28勝22敗/カンファレンス9位)。
 
1戦目は全米17位のフロリダ州立大(29勝20敗)でしたが、1回に5点を先制するなど、13安打の猛攻で12-1で大勝。
2戦目のマイアミ大戦は中盤まで投手戦で6回に2点を先制されるも、マイケル・ローゼンバーグ(4年、C)が7回に2点タイムリーで追いつくと、9回にまたもローゼンバーグのHRで3-2のサヨナラ勝ち。

 準決勝のバージニア大戦ではジョーイ・ロパーフィド(4年/OF)の2HRが飛び出し、先発のルーク・フォックス(1年/LHP)も7回 被安打8 与四球0 奪三振7 失点2の好投で、4-2で接戦を制しました。
そして、決勝のノースカロライナ州立大戦(30勝16敗)は4回の犠牲フライが決勝点となり、3投手の継投で逃げ切り、1-0で見事ACCトーナメント初制覇を達成。
全米ランキング24位
へ浮上しました。

 デューク大はHR数全米25位の強打が武器のチームですが、防御率は全米82位の4.53。
先発はフォックス以外は不安定ですが、ポストシーズン4試合で5失点の投手陣がどこまで好調を維持できるかが、上位進出の鍵となりそうです。

4.テキサスクリスチャン大Big 12トーナメント優勝

 36勝16敗&カンファレンス2位と高順位でシーズンを終えたテキサスクリスチャン大は、ポストシーズン初戦はカンザス州立大(31勝22敗)と対戦。
4回までに6失点を喫するも、打線もドラフトNo.1サウスポーのジョーダン・ウィックスを5.2回6失点でKO。
9回裏にフィリップ・サイクス(3年/OF)がサヨナラタイムリーを放ち、7-6で接戦を制しました。

 そして、2戦目も全米7位の強豪テキサス工科大(36勝13敗)7-2で下し、第3ラウンドへ進出。
準決勝のダブルヘッダー1試合目はカンザス州立大に2-5で敗れたものの、4戦目は17安打の猛攻で17-7と圧勝し、決勝ではオクラホマ州立大と対戦しました。
4回まで5-5と凄まじい打撃戦となりましたが、5回はポーター・ブラウン(1年/OF)の走者一掃タイムリーツーベースなどで、一挙5得点を追加し勝ち越し。
その後は7・8回に1点ずつ追加されたものの、クローザーのヘイデン・グリーン(4年/LHP)が試合を締め、10-7で3度目の優勝を達成し、NCAAトーナメントでは第6シードを獲得。

 同大は打率全米37位&HR68位と突出した打撃力はありませんが、盗塁数8位の機動力を武器に、得点6位を記録。
チーム防御率は全米49位とまずまずで、組み合わせにも恵まれており、6度目のCWS出場も十分狙える戦力です。

5.15週目終了時点のMLB公式2021年ドラフトプロスペクトランキング投手・野手成績

●投手

15週目投手

●野手

15週目野手

6.その他印象に残った出来事

●NCAAトーナメント組み合わせ発表

SECから9校、ACCから8校、Pac-12から6校、Big 12・Conference USAから4校が選出。
ニュージャージー工科大プレスビリティアンカレッジノーフォーク州立大グランドキャニオン大の4校が初出場を果たしました。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?