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アメリカ・MLBの最高峰

日本ではプロ野球が佳境を迎えていて、残りの試合も約10試合になりました。今年は、パ・リーグでは山本由伸投手がすでに17勝を挙げ、最高防御率、最多勝、最多奪三振など数多くのタイトルを獲得しました。また、チームとしても優勝へのカウントダウンが徐々に近づいており、クライマックスシリーズや日本シリーズへと駒を進めていくことになるでしょう。

今年は、大谷翔平選手の活躍もあり、日本だけでなくアメリカのメジャーリーグも日本のテレビでたくさん取り上げられてきました。そして、メジャーリーグは日本より一足先にリーグ戦の日程を終え、アメリカ国内で最も強いチームを決めるプレーオフが10月5日から開催されています。アメリカのメジャーリーグ、通称MLBは日本よりもチーム数が多く比較的複雑なので、試合形式や対戦チームをトーナメント表にまとめてみました。

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2021年にプレーオフに進出するのは上にある10チームです。(MLBには全部で30のチームがあります。)すべての試合が一発勝負で決まるわけではなく、①、②、③、④と勝ち進むにつれて試合数も増えていくのでMLBの頂点が決まるまでには約1か月を要します。

MLBには日本のセ・リーグとパ・リーグのようにアメリカンリーグとナショナルリーグに分かれており、それぞれのリーグの上位チームがプレーオフに進出します。ア・リーグとナ・リーグにはそれぞれ東地区・中地区・西地区の3地区に5チームずつ、計15チームがあり合計して30チームとなります。今年のア・リーグ、東地区の1位はタンパベイ・レイズ、中地区の1位はシカゴ・Wソックス、西地区の1位はヒューストン・アストロズでした。この3チームは上のトーナメント表の②からプレーオフに参戦します。残りのボストン・レッドソックスとニューヨーク・ヤンキースはワイルドカードと呼ばれる、ア・リーグの各地区の1位を除いた12チームを勝率順に並べた上位2チームが進出できる特別枠で①でその2チームが勝負し、勝利したチームが②へ進出します。また、ア・リーグの各地区の1位の3チームの中で最も勝率の高いチーム(今年はレイズ)がワイルドカードの勝利チームと②で戦います。そして、残りの2チームでもう一方の②を戦います。

ナ・リーグも同じです。東地区の1位はアトランタ・ブレーブス、中地区はミルウォーキー・ブリュワーズ、そして西地区はサンフランシスコ・ジャイアンツでした。この3球団の中で最も勝率の高いジャイアンツがワイルドカードの上位2球団の勝者と対戦します。その2球団とは、ロサンゼルス・ドジャースとセントルイス・カージナルスです。もう一方のカードで、ブレーブスとブリュワーズが対戦します。以上、この10チームがアメリカの頂点を目指して戦いを繰り広げます。

ここからは各対戦のシステムを説明します。まず①は、ワイルドカードで上位2位に残った2球団ずつが対戦するワイルドカードゲームです。ア・リーグとナ・リーグそれぞれ2球団が一発勝負で対戦します。試合が行われるのは、2球団で勝率が高い球団の本拠地です。ア・リーグはレッドソックスとヤンキースの勝率が同じでしたが、直接対決でレッドソックスが上回っていたので今年はレッドソックスの本拠地・フェンウェイパークと、ナ・リーグのワイルドカードで勝率1位のドジャースの本拠地・ドジャースタジアムでそれぞれ開催されます。勝利した球団がそれぞれのリーグで最も勝率の高い球団が待つ2回戦へと駒を進めます。

②は地区シリーズという各地区で1位の3球団とワイルドカードゲームの勝者である1球団の計4球団、両リーグ合わせて8球団が戦います。ア・リーグとナ・リーグでそれぞれ2試合ずつ繰り広げられ、勝利球団がリーグの代表を決めるリーグチャンピオンシップシリーズへと進出します。地区シリーズは5試合制で先に3勝したチームが勝ち進みます。試合会場は最初の2試合は勝率の高い球団の本拠地で(今年の場合、ア・リーグはレッドソックスとアストロズ、ナ・リーグはジャイアンツとブリュワーズがホーム)、次の2試合は勝率の低いチームの本拠地で、4試合で2勝2敗の場合は最後に勝率の高いチームの本拠地で再び試合が行われます。このゲームに勝った球団は次のリーグチャンピオンシップシリーズに駒を進めます。

②に勝利した4チームはリーグチャンピオンシップに挑みます。ここで勝利すれば、実質各リーグで最も強い球団ということになります。そして、勝利した2球団はリーグを代表して、ワールドシリーズに進出する権利を得ることができます。③では、7試合制の4試合先取で勝利が決まります。なので、互角の戦いになれば試合数は増えますが、4試合で終わってしまうこともあります。ちなみに昨年は両リーグとも3勝3敗までもつれ込んだ末にア・リーグのタンパベイ・レイズとナ・リーグのロサンゼルス・ドジャースがワールドシリーズに勝ち進みました。試合会場は最初の2試合が勝率の高い球団、次の3試合が低い球団、そして残りの2試合が再び高い球団の本拠地になります。この時点でプレーオフも終盤に差し掛かっており、選手やサポーターの盛り上がりも次第に大きくなっていきます。

アメリカで最も強い球団を決める戦い、それがワールドシリーズです。7試合の中で先に4勝した球団が優勝となります。昨年は4勝2敗でドジャースがレイズを下しワールドシリーズを制覇しました。今年は10月26日から最長で11月3日まで試合が行われます。なので、10月5日から始まったプレーオフは約1ヵ月続き、その末にMLBの最強球団が決定するのです。選手や監督にとっては緊迫した試合が1か月も続くと考えると疲労は相当なものだと考えられます。こんなにも我々を楽しませてくれる選手には敬意を示します。

ここまでMLBのプレーオフについて説明してきました。実は、この文章を書き始めたのはプレーオフが始まる前でしたが、トーナメント表を作ったり別の作業をしているうちに、トーナメント表でいう②の地区シリーズの終盤まで来てしまいました。ここまで時間がかかるとは思いませんでしたが、内容はかなり詳細に書いたつもりなのでこれくらいは許容範囲です。

筆者はワイルドカードから這い上がってきたドジャースが2連覇を達成してくれることを願いつつ今後の試合を楽しみにしたいと思います。MLBの公式YouTubeにプレーオフのゲームハイライトが上がっているので、興味を持っていただいた方はぜひ下のリンクから飛んでみてください。



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