今週のAIニュース:8/23~8/28(マイクロアド社のオルタナデータ販売)
今週は、1つのニュースを掘り下げるスタイルにしてみる。
ニュース概要
8/23、広告事業を行うマイクロアド社が、USのFactSet社(投資家向けにデータやソフトウェアを提供するUSの会社)を介して、金融機関向けにオルタナティブデータを提供開始したというニュースが発表された
マイクロアド社
マイクロアド社の事業や成長戦略を紐解くことで、このニュースについて考察してみる
会社概要
マイクロアド社とは2007年にサイバーエージェントの社内事業からスピンオフして設立されたアドテクノロジーの会社(HP)
2022年6月に東証グロース市場に上場し、22年度9月期は売上120億円、利益2億円の見込み。時価総額は81億円(Kabutan)
200社以上のパートナー企業からユーザーの行動データを仕入れて独自の分析することで付加価値を乗せた広告配信サービスを提供している(決算説明資料)
成長戦略
「データプロダクトの拡大」を成長戦略に位置付けており、今回発表されたFactSet社(投資家向けにデータやソフトウェアを提供するUSの会社)へのオルタナティブデータの提供は、その一環(決算説明資料、リリース)
「データプロダクト」では、デジタルサイネージによるオフラインでの広告提供にも着手している(決算説明資料)
デジタルサイネージ事業は今後注力予定の「ブランド領域(実店舗での製品提供を行う企業向け)」の取り組み
今後は、Cookie規制等の業界変化によって「ダイレクト領域(オンラインでの購買が完結する企業向け)」から「ブランド領域」に広告予算がシフトすると見立てている
考察
総括すると
「マイクロアド社は、個人情報保護の潮流や競合との競争によって、今後オンライン広告だけで戦っていくのは厳しいと考えている。強みであるユーザーの行動や嗜好に関する情報を活かした事業として、既存の広告事業とは別に、機関投資家に対するオルタナティブデータ販売事業を立ち上げた。」
ということだった。
自分が投資家だったらこのサービスを使いたいかという観点から考察すると、以下の点から総じて使ってみたいと思えた。
ユーザーの購買データには、株価に織り込まれる前の情報が多く含まれており、投資判断の高度化に役立ちそうだと思う
個々のデータプロバイダーからデータを集めて、業界動向を予測するために適切な形式に成形するのは非常に面倒なので、マイクロアド社のようなプレーヤーが間に入って、投資判断に使える数値に集約してくれるのはありがたい
また、投資だけでなく、貸付を行う際の与信審査にも有効だと感じた。
現状、四半期ベースの決算情報と対象企業と業界に関する定性的な情報から与信審査を行っているものと推察するが、業界のタイムリーな動向が加味できれば、もっと攻めた貸付が行えるのではないかと思った。
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