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目に見えていなかった現実

こんにちは、Freelance Filmmakerの松浦竜介(りょうすけ)です。ウェブCMなどの映像コンテンツを制作しています。発信をしていくにあたって、僕自身の生い立ちから現在に至るまでの経歴を記事にしています。関心を持っていただいた方、一緒にお仕事をされたい方、なんだかよくわからないけど僕に絡んでみたい方、僕はこんな人間です。ぜひご覧ください。
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目に見えていなかった現実

2010年、20歳。僕の住んでいたカガヤンは、マニラに比べてゴミ山は少なかった。しかし、日常の中で直面する環境汚染には衝撃を受けるばかりだった。町中では無数のジプニーが真っ黒な煙のような排気ガスを吐き出し、町を流れる水路は生活排水等で汚染され、水底に溜まった有機物から有毒なメタンガスが発生していた。地下水は相当汚染されていただろうと思う。どういう気候なのか夕方になるとほぼ100%大雨が降り、その水があふれて町中の道路が膝の高さまで水浸しになった。他国で進んでいる環境汚染の規模とスピード感に圧倒された。あのゴミ山や水路から立ち上る悪臭はPCの画面越しには伝わってこない。脳みそへのインパクトがまるで違う。

また、現地の人たちの経済状況はやはり厳しく、足がない人、鼻がない人、親指が不自然に曲がったまま生活しているおばちゃんなど、十分な医療が受けられない人を見かけることは多かった。今はどうなっているのかわからないが、当時アルバイトで働いていた友人の日給は200ペソ。日本円にして400円程度だった。そんな日常のなかで生活していたある日、いつものように水路からポコポコと発生する気泡を眺めながら、僕はふと思った。

環境問題といってもありとあらゆる社会問題、人間の生活と複雑に絡み合っている。人が変わらなければ科学や技術だけでは根本的な改善にならない―。

当たり前といえば当たり前のことだが、それを頭の中だけで考えているのと自分の目で見て考察するのとでは僕にとっては雲泥の差があった。

工学から教育開発の道へ

こういったフィリピンでの経験の末、突き詰めれば人間一人ひとりの変革からしか根本的な改善はありえない。そのためには教育の変革が必要だ、との結論に至った。そして僕は大学を卒業したあと1年間アルバイトをしながら学び直し、大学院で途上国の教育開発について学び始めた。大学院に入学する頃には23歳になっていた。

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☆今までの映像や普段のストーリーを、Instagramで発信しています。


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