hakubi 『拝啓』

自分の人生の中で音楽を聴いて泣いた経験というのは数える程しかないのだけれど、その中の一つがhakubiのライブ。
大学に行けずにフラフラしていた時に新宿のタワレコの試聴機で『光芒』という曲に出会い、その後下北沢の小さいライブハウスで初めてhakubiのライブを見たときは自然と涙が流れて止まらなくて、終演後に物販でCDを買って帰って、それから辛いとき苦しいときにたくさん聴いてきた。

孤独、自傷、いじめ、死とか。
重たいテーマを使って泣かせにくる曲って世の中に溢れているけれど、似たり寄ったりで辟易してしまう部分があって。
だってあなたはそんなに才能があって、そんなに大きなステージで歌えているじゃないかって。
どうしてもひねくれた受け取り方をしてしまって感情移入できなかった。

でもhakubiの音楽を聴いたときに、嘘じゃない、って思えた。
別に他の音楽が嘘だと言うわけではないけれど、この音楽は、この人たちは信用できる、そう思えた。

なにも知らない初めて聴くバンドの音楽なのに、なぜそう思ったのかは分からないけれど、今思うとhakubiというバンドにはそう思わせる説得力、信頼感とも言えるような魅力があると思う。
もし自分の近くに生きるのが辛いって言う人がいたら、hakubiの音楽を聴いてみてって言いたい。

新曲の『拝啓』はボーカルの片桐さんが大切なお祖母さんとの別れを歌った曲。
聴いたときに涙が止まらなくて、どうにか文章に残したくて、でも文章にしようとしたときにちょうど良い言葉が見つからなくて
この曲のことをあれこれ説明するよりも、hakubiというバンドのことを書いて、こんなバンドが大切な人のことを思って作った曲、そう紹介するのが1番しっくりきたのでこのような文章になった。

ライブで聴いたら間違いなく泣いてしまう。
大事な人を今よりもっと大事にしようと思える、そんな曲。

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