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歩き旅マガジン

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【長編紀行】 風をあるいて 西国観音霊場1,000km野宿旅

携帯電話がなかった時代だからこそできた貴重な体験だったと、今になっては思う。今の時代で、携帯電話を持たずに、こんな旅ができるだろうか。不便だったからこそ、出会えた人のやさしさがあった。人は、そういうやさしさに触れることで、成長していくのだと思う。(「あとがき」より) ※これは未公開(未出版)の紀行文です。noteで初めて一般に公開します。 巻末に印刷用の地図(PDF)も添付しました。 はじめにすべては「東海道五十三次」を歩いたことからはじまった  旅は孤独ではないけれど

【ミニ紀行】 東海道五十三次 530km 徒歩の旅

はじめに 1989年、大学1年生の夏、僕は東海道五十三次を踏破する計画を立てて、広島の実家から京都に向かった。計画といってもあいまいなもので、国道一号線をひたすら歩くというもので、国道ならば道に迷うこともないだろうと、安易に考えていた。持ち物はと言えば、野宿のための寝袋と傘を一本持っていたに過ぎなかった。 (出発地)京都三条大橋〜(53)大津 出発時の写真を見ると、なんかもうその辺に遠足に行くような格好だ。とてもこれから530kmを歩いて東京まで行こうという感じじゃな