見出し画像

物事をはじめる時に「木鶏」を参考にしてみてはどうだろう?

「木鶏」もっけいというお話を知っているだろうか?

これは「荘子」の中に出てくるお話のひとつで武道武術が好きな人にとってはもはやクリシェになっていると言ってもいいくらい有名な話だ。

ニワトリ同士を戦わせる闘鶏とうけいが流行っている中国で、王から鶏を預かった育成名人が最強の状態になるまでにどんな過程があるかを語るお話になっている。

不良の喧嘩と同じ

木鶏というのは要するに木で出来た鶏みたいに動じなくなればオッケーということで、だいたいヤンキー漫画に出てくる不良が喧嘩するときの感じだと思えばいい。

画像1

(佐木飛朗斗,所十三『特攻の拓』より)

闘争心むき出しで回りを威嚇している内はまだまだ。
他の鶏(不良)がいるのを見ていきり立ったり、声を上げたりしている内は三流。
眼つきで威圧している内は二流。
他の鶏がいても木でできてるみたいに動じなければもはや一流、どんな相手と戦っても負けないだろう、という話である。

不良漫画のボスほど奥の方でおとなしくしてたりするというよくあるやつ。

本物の木ではいけない

ただし本当に何事にも動じずただただ木のままでは闘鶏にだって勝てないだろう。

木鶏の話をもう少し深めに考えてみると、これは「先」の取り合いの話だと考えることもできる。

基本的に一瞬で命のやりとりをする熟練者同士の勝負であればあるほど、相手よりも先に動いてしまったり、動かされてしまった方が負ける。

木鶏とは叫んだり睨んだりすることなく、先に相手から攻めさせるように仕向けられる状態なのかも知れない。

他の物事に活かす

何事でもそうなんだけど、慣れてない時ほど無駄な動きが多くなってしまう。

単純に効率の問題から言っても、余計なことをしない方がいい。
けれども同時に何故いけないかを理解しておくことも重要だ。

よく芸事では守破離といって、まずは型を守り次に破りそして離れることが必要だと言われている。これは最初から破ったり、守りもせずに離れているとそれこそ形無しになってしまうからだろう。

ただしこの守破離のペースを上げるコツは、木鶏を目指すことにある。
別に大したことないわぁ、という落ち着きと、対処できるという自信みたいなものを根拠のないところから引っ張り出してくるのが「木鶏」から学べることかも知れない。

合気道の稽古でもだいたい同じだと思うよ。必要最小限を目指すの大事。

マツリの合気道はワシが育てたって言いたくない?