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【気の正体】合気道における「つながり」とは何かをかなり本気で掘り下げてみた

合気道をそれなりにやってて2023年の最大の課題は「つながる」って何?という問いだった。

なんとなくわかってはいたけれど、うまく言語化できなかったものが、やっとこさそれなりに説明できるようになった気がしてる。

つながるというのは拮抗した状態であり、自分の変化が相手にも伝わるような状態で、別々の物体だったものがひとつになっているような状態のことを言う。

だけど、どれがどうやって成立するのか?というのが今回の話。

合気道は物理現象

この世のあらゆるものは物理現象だけど、武道武術の説明では「物理(的)ではない」みたいなことをいう人がいる。

例えばマネキン人形なら二本足で立っていても指一本でカンタンに倒せるのに人間になると途端に難しくなるあたりにその原因があるのだろう。

人間同士だとマネキンと違って互いが別々に動くのでうまくいかない。

そこで合気道でいう固い稽古、強く掴んで貰ってできるだけ「同じ」物体に近づける。同じ物体になれば指一本くらいの力でも倒せる。

ところが逆に強く掴まれていないと同じことをやろうとしても難い。

そういうわけでそんな状態でも崩せることを指して「物理(的)ではない」と感じる人がでてくるのだろう。

つながるとは何か?

つながるというのはつまり同じ物体になろうとお互いが努めることで、そのためには「状態を維持したいと思わせるもの」が必要だ。

例えばお弱みを握られている人は、一見すると握っている側と対立しているようでも裏ではやりすぎないように加減するだろう。

こういう利害関係のような「つながり」でも、現状を変えたくない側の行動に影響を与える。

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こうした状態を物理的にもつくればいいわけだ。

どの前提条件を採用するか?

結局のところつながりというのはどういう形で「状態を維持したい」と思わせるかになってくる。

前提条件が「師匠を凄いと思わせたい弟子」とか「金を貰ってる」とか「エンターテインメントの為」とかでも、吹っ飛んだり転がったりすることは起こるのだ。

それもある種の「つながり」ではある。ただ、それが万人に通用するとは限らない。

できるだけ多くの人に通じるつながりをつくる為には、それ相応の前提条件を見つけ出す必要があるのだと思う。

武器でつながる

合気道は剣が基本とか言われたりするわけで根本には武器のようなものがあると思うし、合気道でつくるつながりは武器を前提にすればいい気がする。

例えば相手を本気で刺そうとしてナイフを向けたなら相手は刺されないように手を押さえたりするだろう。

そうしたらその「状態を維持したい」と思うはずだ。それでもなお相手を刺そうとすることで、相手は状態維持のために動かざるを得なくなる。

武器でつながることの利点は刺さったら終わりなので、かなり弱い力でもつながりが成立するという点だ。

つながりの問題点

武器がなかったとしても同じように「このままではあなたはマズイですよ」ということを自分の身振り手振りや目線で伝えることによって、それが伝わる相手には同じ事が起こる。

こうした「つながり」を利用することで、強く固くつながっていなくても技をかけられるし、あるいは触れられる前に技をかけたりということが実現するわけだ。

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ただこうしたものが単なる前提のつながりだけではなく、実際に隙を見せれば攻撃が入るということを理解したうえでのつながりでなくてはいけない。

つながりというのは、稽古仲間や師弟関係ならたやすく別のつながりが生まれてしまうものなので、互いにどのつながりで技をかけあうかを常に認識しておかないと難しくなる。

まとめ

つながりについて少しはわかった気になっているけれど、わかるとそれはそれでややこしい。

色んなつながりかたがあり、どのつながりでも同じようなことはできる。

ただ、できるだけ多くの人とつながるにはより物理に則したつながりかたをしていかないといけない。

多くの人に一番作用するのは物理だからだ。他の方法でもかかるけれど、物理的であればあるほど多くの人にかかりやすくなる。

このあたりがわりと「気」とか、ふわっとした魔法ような言葉で説明されるのには、このような原因があるのだと思う。

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