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合気道における三大奇書?「武産合気」の読み方を解説してみる:難しいからこそ読めることに意味がある

おそらくはこんなものに興味を持つ人はほぼ皆無だろうけれど、万が一にでも興味を持った人のために読み方を解説してみる。

これはもちろんおれ独自の読み方なので、あくまで参考程度に考えといてもらいたい。

武産合気とは何か?

武産合気という本は、合気道開祖である植芝盛平が「白光真宏会青年合気道同好会」という宗教団体の青年がやってた同好会向けに語った事がまとめてある。

※若干内容かぶりの『合気神髄』もある。

もうこの時点で読む人のハードルをはちゃめちゃに上げているが、内容もひたすら神道の知識を必要とするような謎の神の名前や単語に満ちあふれているという有様だ。

なぜ武産合気を読むのか?

こんなトンデモ本を一体何故、合気道を修行する上で読む必要があるのか?
それに答えよう。
武産合気には「合気道の理想」が書いてある。

極論だが、理想を知らずに合理的な動きができるだろうか? 理想もなく稽古を続けてゴールを目指せるだろうか?
合気道をはじめるにあたって「武産合気」を読みはじめたおれは、あくまでおれの理想においてはぶっちぎりでできるようになったと思っている。

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(魚豊『チ。ー地球の運動についてー』より)

もちろん指導してくれる先生が良かったとか、色々と理由はあるだろうけれど、武産合気を読んでその理想を目標としたこともひとつの要因とみて間違いあるまい。

武産合気の読み方

武産合気を読む上でおさえておくべきことは作中でも言われていることなんだけれど、大半が同じことについて語られているということ

難解だと言われているけれど、語られていることはハチャメチャにシンプルなのだ。
すべては一つであり、一つのものは対になる二つに分類できるし、二つは四つにもなるし四つは八つになる。
そんだけ。

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(井上雄彦『バガボンド』より)

それがただ色んな表現で出てくるだけなのだ。
だから同じ話が何度も何度も繰り返されてると理解すればいい。

武産合気の用語

そういう目で見れば、武産合気にでてくる用語もめちゃくちゃシンプルに見えてくる。

一元(1)=一霊(1)=ツルギ(1)=二元(2)=イザナギ・イザナミ(2)=右左(2)=天地(2)=呼吸(2)=火水(2)=魂魄(2)=阿吽(2)=顕幽(2)=赤玉白玉(2)=月と太陽(2)=両刃の剣(2)=三元(3)=正勝・吾勝・勝速日(3)=△○□(3)=顕幽神(3)=玉鏡剣(3)=天地人(3)=過現未(3)=四魂(4)=奇魂・荒魂・和魂・幸魂(4)=気・流・柔・剛(4)=天火地水(4)=水精火台(4)=八力(8)

Tips
読んでない人には恐らく超意味不明の単語群だが、読んでも意味不明である。

これらの単語は全部、同じものを色んな側面から言い換えただけだ。
武産合気に出て来る神様の名前とか、よくわかんない説明も大半はこのことを言っている。

身体で考える

これが実際に稽古する内容で言えば一教・二教・三教・四教(4)=表裏(2)=合気道(1)みたいな感じになるわけだ。
合気道の稽古もあらゆる技を一つにするためにあると言えるし、全ての技に一つの理があるとも言える。

だから合気道の目指すところは何がどう分かれていて、どこがどう同じなのか?
その探求の方法とヒントが書いてある。
別々のもののように思える肉体と精神や物理と思考などのものが、実は全部同じ原理に基づいてるということを見つける道。

そういうのが、合気道の目指すところなんじゃないの?
と思ってる。

まとめ

武産合気は最初読んだ時はサッパリわからなかった。

だけど、読む度に「こんなに簡単に書いてあったっけ??」と思う。

稽古が進むごとに内容が腑に落ちて来る。

そういう本だとおれは思うんだよね。



おわり







マツリの合気道はワシが育てたって言いたくない?