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二つの月_TOMOO_TWO MOON

今日は早朝から氷点下の札幌を出発して17℃の東京へ日帰り出張。東陽町の川岸にはもう桜が咲いていて驚いた。調べてみたら河津桜という超早咲きの桜だそうだ。

出張先で海外勤務の同期に20年ぶりに会った。一人はロンドン、もう一人はニューヨークに駐在している。私とは違う世界の住民だけれど、同じ釜の飯を食べた同期だ。私の働いている会社は最初の一年は全員が寮生活するので比喩でも何でもなく、同じ釜の飯を食べた仲間たちだ。

彼らとの会話、私の病気のこと、早咲きの桜と自分の人生。早咲きの桜は、ソメイヨシノが満開になるずっと前に静かに散る。そして私は明日も生きていく。


そんな話を1200文字分書いたところで、飛行機のWifiの調子がおかしくなったようで、全部消えてしまった。とても残念だ。

とても残念だけれど、仕方がない。人生はそんなものだ。そんな個人的な話を読まされる人がいなくなってかえってよかったのかもしれない。


ということで全然違う話を書く。書くことがいくらでもあってよいことだ。読む人には迷惑かもしれないけれど。わたしの話は誰にとっても特に何の役にも立たない。ただ自分の経験や、自分の思ったことを書いているだけ。そんなことが許されるnoteの寛大さが好きだ。

そして、そんなことを書いていたら、消えたと思っていたデータが復活していた。そんなnoteの粘り強さも好きだ。と言うことで前言をあっさり撤回してさっき公開した(個人的な話を読まされるかわいそうな人達を減らすのではなかったのか)。

と言うことでここから別の話。
私は休みの日はいつもロードバイクに乗っているのだけれど、いつもオープンエアのイヤホンでSpotifyを聴きながら走っている。そんな中でいつも聞いているのがNew Music Wednesdayというポッドキャストだ。主に邦楽で、何曲か洋楽を取り混ぜたプレイリストで毎週すべてが入れ替わる。私は特に積極的に新しい曲を聴く方ではないので、新たに公開された曲を網羅的に聞くことができるこのポッドキャストは最近の邦楽に触れるいい機会になる。

そんな中で最近気になるアーティストがいる。名前を調べるとTOMOOトモオという人。今有名な人なのかどうかさえ分からないくらい私は音楽に疎いのだけれど。

何の情報もなく曲を聴いていたので私はTOMOOを勝手に男性アーティストだと思っていた(ともおだし)。この間アーティスト写真を見たらかわいらしい女性だったのでとてもびっくりした。最近は高い声で歌う男性アーティストが多いので、アルトボイスのTOMOOの音域が最近の男性アーティストと同じなのだろうと言い訳してみる。まあ男か女かなんてもう関係ない時代だし、そのあたりはどっちでもいい、ということで。

デビューアルバム「TWO MOON」。2023年の9月リリースなのでもう結構前だけれど、最近よく聞いている。

声も曲もよいのだけれど、とくに歌詞が面白い。抜き出して紹介すると著作権的にあまりよくないようなので曲のリンクをそのまま張り付けるけれど、シングルになるようなメジャーな感じの曲よりもアルバム後半にあるバラード曲が私は好きだ。日本語の良さを感じる歌詞とそれを落ち着いた声で歌うTOMOOのバランスがとてもよい。



アルバム名が「TWO MOON」、アーティスト名が「TOMOO」。どちらが先なのかわからないけれど、韻を踏んでいるのはわかる。そんなふうに言葉に対する感性というか、言葉を楽しんでいる感じが良い。

二つの月。

それは交わることのない二つの世界、二人の世界なのか、二つの月がある今ここではない何処か別の世界なのか、右目と左目、つまりは自分の中の二つの世界なのか。

羽田から札幌に向かう高度一万メートルの空の上で、そんなふうに二つの月のことをぼんやりと考える、仕事終わりの日曜日。



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