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20240518 神戸まつりの中でのだんじり

 このNOTEを継続的にみてくださっている人は,最近私が「神戸まつり」と「神戸のだんじり」に興味を持って調べているのをご存知だと思います。これまではそれぞれを独立して検討していましたが,ここでふと「神戸まつりに神戸のだんじりはでたことがあるのか?」という両者を結びつける疑問が湧いてきました。
 で,早速調べてみると…基本的には神戸まつりのメインフェスティバルにだんじりはでないようです。
 しかし,1992年の第22回に出た時の記録を以下のHPで確認できました。

〇第22回(1992年) 西岡本からのお知らせ

 ここで興味深いのは以下の記述でした。

 パレード参加については、各地区共難色を示されたが、JCの誠意が伝わり神戸まつりに12台の出場が実現した。今後、神戸地域の31台が勢揃い出来る日を楽しみにしたいものである。当時の会合には地車の形態、整列について模型を作り検討を繰り返した。

 だんじりの各地区は基本的にパレード参加には難色を示していて,JCが説得の上やっと参加に同意を得られたという構図があったのですね。
 博多どんたくの場合,パレードの最初を歩くのは博多松囃子で,ある意味「伝統的な祭である松囃子をさておくことは許さない」「伝統的な祭を基礎とすることでどんたくの意味づけを確保したい」という姿勢がうかがえます。
 しかし,神戸のだんじりに関してはそういう姿勢はなく,参加に難色を示したというのはどのような心理が存在したからなのかなあと。もしかしたらですが「氏子として神社の奉納としておこなっているだんじりを市民の祭のパレードにつかうのは許されない」という考えなのかもしれません。
 そういえば山笠でも行政や観光主導の「集団山見せ」に関しては「あれは神事じゃないけん」みたいに言われる方も結構いた記憶がありますが,それに似た心理かもしれないなあと。
 
〇第35回(2005年) 安井俊彦姿勢報告

 2005年は,神戸の震災から10年経ち,復興の象徴としての意味合いもあっての参加のようです。市議会議員の方のページにまとめらていることなどより,1992年がJC主導での参加であったら,2005年は地元の有力者からの働きかけによる参加だったのかもしれません。

〇第45回(2015年) 月間神戸っ子
 https://kobecco.hpg.co.jp/14194/

―今回の神戸まつりパレードにはどんな思いがおありですか。
 皆さんからのご支援の感謝の気持ちを込めて、阪神・淡路大震災から10年後の、平成17年の神戸まつりにも御影のだんじりが出場しパレードを行いました。今年は、震災から20年ということに加え、東日本大震災と広島の土砂災害の鎮魂と、復興をお祈りしようと、御影から4台のだんじりがパレードします。11時からのフラワーロードのパレードの後、午後3時頃には御影クラッセ前にも登場しますのでぜひご覧ください。

 上の引用は東明地車保存会会長で高嶋酒類食品株式会社取締役会長の高嶋良平さんへのインタビューを元に書かれているようです。なんとなくですが出場への積極性が高まっているし,他の箇所で「東灘には全部で31台ものだんじりがあるということを全国に広めたい」という記述もあったので,全国からの注目度が高いメインフェスティバルに参加することで神戸にだんじりがあることを全国にも知ってもらいたいから参加したこともうかがえます。
 
  そういう意味では,日本全国どころか世界に向けて神戸のだんじりをアピールする絶好の機会として,昨日(2024年5月17日)に開催された神戸2024世界パラ陸上競技選手権大会開会式に神戸のだんじりが出るとよかったのにな~と思ったのですがそういうお誘いはなかったのかなと。
 山笠の場合,ラグビーワールドカップや世界水泳などで舁き山を舁きはしなかったとおもうけれども博多駅などに舁き山は展示されていたような記憶があります。

 今確認したら木村優一氏、須磨翔風高校による和太鼓演奏があったようですがそれ以外の和っぽいものはなかったようでした。
 来年は神戸の震災より30年,2005年,2015年に続き2025年も神戸まつりにだんじりは出るのではと思いますがどうなるかなあと。

 パラ陸上に関して言えば,論文は48本で結構あるのですが,最初に論文がでてくるのは2016年からなのですよね。大会自体は1994年からあるのに20年くらいしないと論文が出てこなかったのには何か理由があるのかなあと。
【書誌情報】
三井利仁 2016 私のつぼ:克己心を持つアスリート(パラ陸上競技). 体力科学, 65(1), 60.


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