20230723 祇園祭ビギナーズラック
いろんな祭好きの人に聞いてみたいこととして「あなたがその祭を好きになったきっかけはなにでしたか?」というのがあります。ファンになる心理についてはいろんな分野に関する心理学的研究が存在しますが,おそらく祭についてはまだなかったと思うので,祭心理学的にはいつか検討したい題材ではありますが,今日は研究ではなく個人語りに留まることをお許しください。
私は博多祇園山笠の「見る山のぼせ(見学者としてのファン)」といっても良いと思いますが,そのように見学にのめり込むようになった最初のきっかけは「間違った知識を恥じた記憶」だと思います。
まだ博多部に引っ越す前,何を見に来たかの記憶もありませんが,場所は覚えていて国体道路のロイネットホテルの向かいくらいで,他の観客から質問を受けた時に「東流(ひがしながれ)」のことを「あずまながれ」といって大恥をかいた記憶があり,そこから一念発起していろんな知識を身に着ける中でのめり込んでいった記憶があります。
しかし,祇園祭に関してはそのような「知識がないのが恥ずかしいから覚えよう」という気持ちはあまりでてきていないのは確かなのですよね。これはもう私も歳を取って「新しい知識を一から身に着ける面倒くささ」を感じることが多く,しかも相手は伝統まみれの京都の祇園祭,そんなものを他の人に負けないレベルで知識を身につけるなんてできるはずがないので,祇園祭に関しては最初からあきらめていて,そのためあまりのめり込むことはないだろうなあと思っておりました。
で,先日の京都出張時に祇園祭の建日を見に行った時の話になります。このNOTEになんども出てくる「共同研究をしてくださってくれている先輩」と教科書の改訂に関して打ち合わせをする用事があって京都に行った際に,ちょうどよいので建日の様子を見ることにしていました。
おそらく山笠でいうところの「棒締め」あたる作業をみられたらいいけど,実際には「山小屋建設」とか「矢切を立てる」レベルの作業しかみられないだろうな~だから30分ほどみたらさっさと先輩の研究室に向かうぞ~と思い京都の烏丸駅に降り立ったのは2023年の7月20日の13時過ぎだったと思います。
最初にみかけたのがおそらく黒主山でした。
これをみて「ああ~棒締めは既に終わっているか~」「でも,矢切を立てたくらいで今からいろいろ飾っていくのだろうな~」という感じで,山笠で言うと「棒締めと試し舁きをみるのに間に合わず,これから人形などを飾っていくところに通りがかった」感じだったと思います。
おそらく20日はどこもこんな感じなんだろうと思っていたのですが,その後鷹山に通りかかると…もうすでに全部できているのですね~。
山笠で言うとすでに飾り山の飾りが終わっている状態で,20日の段階でここまで見られると思っていなかったので感動しておりました。
さてそろそろ先輩の研究室に向かわねば…と思い北西方面に歩みを進めると…なんか新町通沿いにいっぱいすでに完成した山がみえる…あああ目的地は北西なのになぜか足が南に向かいます(笑)。
山笠の勢水が青バケツからばっしゃばっしゃ道にまかれるのに対してさすが京都は雅でございますな~と思いつつ八幡山,北観音山,南観音山をみて四条通に戻ってきてさすがにそろそろ先輩の研究室にいかねば…と思ったのですがそこで見えてきたのが大船鉾。ここの観客が妙に多いなあと思ったらなんと15時から「曳はじめ(試し曳き)」があるようです。
山笠の場合,山台ができたところで試し舁きをしますが,そのあと舁き山に人形を飾った後はおそらく試し舁きはしないのではないかと思います。しかし,祇園祭の場合,おそらくですが山鉾が完成して人が乗り込んで初めて試しに曳いてみるようで,そんな様子を見ることが出来たのはラッキーだなと。
おそらく曳くのは幼稚園の子どもたちだったようで,その様子を見たい人たちが大船鉾の前方にいっぱい集まっていたので,私は人の少ない後ろ側にいたのですが,そのおかげで結構貴重なシーンを色々とみることが出来たように思えます。
偉い人たちが塩でお清めをされるところとか
鉾の先に乗っていて扇で舞われる方(名称分かりません)が曳きだした時に最初に舞い始められたところを間近でみられたりと良い経験が出来た気がします。
正直なところ祇園祭については歴史も規模もすごすぎて「祇園祭は広大だわ…」てな感じで深入りはしまいと思っていたのですが,最初にこんな興味深い見学経験ができたので「また見たいな~」と思い始めてしまいました。
まあでもやはり山笠をメインで見ていきたい気持ちはあるので,前祭のころは山笠に専念して,後祭を少しずつ知っていくことで最終的に前祭についても知っていけるようになれたらいいなあと思い始めました。
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