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20231114 祭とレジリエンス

  今日はミーティングの依頼があり「午後なら大丈夫なので研究室で待ってます」と返信したのでお昼ご飯を食べてから作業をしつつ「いつ来るかな~」と少し落ち着かない気分で作業をしつつ待ち続けたら…来訪を受けたのが18時!まあでもその分こまごまとした作業をすることが出来たので久しぶりに祭関係の論文を探すことができてみつけたのは以下の論文でした。
 
滝澤克彦 (2013). 祭礼の持続と村落のレジリアンス : 東日本大震災をめぐる宗教社会学的試論. 宗教と社会, 19, 115 – 129.
 

 まず,近年よく話題に上る重要な概念であるレジリエンスについて説明している箇所を論文から引用します。 

 レジリアンスとは、回復力や抵抗力などと訳されることもあるが、生態学者のC.S.ホーリングによって提唱された概念であり、ある生態系が衝撃や変動に柔軟に対応しながら内的な諸関係や状態を維持していく許容能力を表す。後に社会生態システムなどを含めたより一般的なシステム論のなかに再定義され、ある擾乱に対して、システムがその機能・構造・自己同一性・ードバック機構を本質的に保持するために、自ら変化することによってその擾乱を吸収し、再組織化する許容能力とされる。

 レジリエンスは,災害からの復興の説明によく使われる概念だと思います。また,災害からの復興と祭の関係もよく検討されてきたと思います。しかし,祭とレジリエンスについての関係についての研究はあまりみたことがないので,そこに関する記述がないかな~と思いながら斜め読みしてみました。
 
 結果としては,祭とレジリエンスについての関係は読み取れませんでした。ただ,以下の引用などを読むと,「地域のレジリエンス」の構成要素として祭礼が存在するという図式は間違いないと思います。

 祭礼や社会空間、その他の生活文化といったものを村落のレジリアンスと単純に同一視することは、記述の可能性を狭めてしまいかねないため注意が要である。重要なのは、村落のレジリアンスに対して祭礼や社会空間がどのような機構を通して関わり、そのことがどのように村落の今後の姿に影響していくのかを、細かく記述していくことであろう。

 個人的には,祭自体がその中に「継続していく」というレジリエンスを有しており,そうした「祭のレジリエンス」が「地域のレジリエンス」を促進する関係なのだろうなあと。そのため,「地域のレジリエンスの要素」ではなく,それぞれがそれぞれのレジリエンスのもと独立して動きつつ,それらは密接に関係しあっている感じなんだろうなあと。
 本当はもっとじっくり読みこみたいのですが今日はもう帰らないといけないのでこれにて更新させていただきます。

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