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20240123 高嶺の花と壁の花

 先日「飲み会」というキーワードでの文献検索が終わってしまったことを書きました。で,何か他の検索語がないか?と思って思いついたのが「宴会」だったのでさっそく探してみました。
 検索結果の総数は787と「飲み会」より多かったですが,ホテルの宴会の経費の研究や中国の宮廷での儀式に関する研究やらで,「飲み会」からコミュニケーション要素を取り除いたものを宴会と称していることが多いように思えて,私の知りたいものの正反対のように思えました。
 しかしそれでも探しているとみつかったのが以下の文献です。
 
【書誌情報】
吉村祐紀・西本一志 2017 ShyQueue:パーティにおけるシャイな人の社交活動を支援するコミュニケーション機会形成ツール. インタラクション2017論文集(情報処理学会), 401 – 404.

 タイトルにある「パーティにおけるシャイな人の社交活動を支援する」というのは私の関心に非常に近くてこれは!と思って読んでみることにしました。
 読む前は,開発されたShyQueueは「会話が必要になるさまざまなきっかけを提供するツールかな?」と思っていたのですがそうではなくて以下のようなシステムでした。

3.1 コンセプト
ShyQueue は,コミュニケーションを取りたい特定の相手に匿名で「あなたとお話ししたいですよ」というメッセージを送ることで,相手に「誰かが自分と話す機会を待っている」ことだけを伝えるシステムである(図 1).これにより,以下の 3 つの目的の達成を目指す.
 
1. 他者の会話に割り込むことができないシャイな人であっても,(匿名なので)気軽に「あなたとお話がしたい」という意思を随時伝えられるようにすること.
2. 有名人などの,その人物と多くの人々が会話したいと思っているにも関わらず,その人物がいつも誰かと話し込んでいてその状況に気づくことができない場合に,「あなたと話す機会を待っている人が何人もいる」ことに気づかせ,現在の相手との会話を切り上げられるようにすること.
3. 以上によって,誰もがより多くの人々と会話する機会を持てるようにすること.

 私はあまりそのような状況のパーティーに参加したことがないのでイメージ湧きにくいですが,学会大会のポスター発表で発表者がずっと誰かと話し込んでいて声をかけにくい時に,「あ,他の人もいるみたいなのであなたとはこのくらいで」と切り上げやすくなるシステムなのだろうなと思います。婚活パーティーなどで人気が集中している高嶺の花的な人に近づけず,「くそ~あの人と話したいのに!」と思いつつもあきらめたりすることを避ける時などに有効なのだと思います。
 
 私の場合,そのような人気者に話しかけることははなから諦めるタイプで,同じように壁の花になっている人がいたら「お互いモテませんねえ~」とか言いながら話しかけたくなるけど,そういう人に限ってプライドが高いから「あんたと違って私はあまりものじゃないから!話しかけてくんな!」とか言われそうでなかなか話しかけられない人間なのですが…(泣笑)。
 
 まあでもこんな感じで,立食パーティーなどを苦手にしている人に「何故苦手か」「どういうサポートが必要か」などを聞いてそれを実現するシステム考えるのは楽しいと思うので私の方でもう少し考えたいなあと。

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