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20240624 山笠の標題の傾向と対策

  博多祇園山笠の人形には人形のテーマを表す「標題」がついていて,漢文などを元にした格好が良くて勇ましい語感の表題がついていることが多いなあと。
 で,この標題に選ばれるものには何か法則性とか傾向があるのかなあ…と思って説明を探してみると,博多祇園山笠振興会による公式HPだと表題ではなく「標題」の文字が使われていて,おおよそ以下のような決まりがあるようです。
 
・現在では三,五,七などの「奇数文字」
・流と人形師がテーマを決め,それに基づきお寺の住職などが故事来歴を参考に標題を決める
・江戸時代には専門の絵師が下絵を二つ描き,藩と年行司に届けていた
 
【書誌情報】
博多祇園山笠振興会 標題 山笠うんちく-山笠用語集- 2024年6月24日閲覧

 で,実際の標題からなにか傾向でも伺えないか…と思って探していると,大黒流の公式HPで歴代の標題をEXCEL形式で保存しやすい形式でまとめてくださっていました。
 
【書誌情報】
大黒流 年表 大黒流総合サイト 2024年6月24日閲覧

 古代からの標題が保存されている貴重な資料ですが手間も考えて昭和元年から現在までの標題をピックアップして,KH-Corderにかけてみました。
 
 抽出語リストをEXCEL形式で出力してまとめたものが以下のものです。
 

 大黒様関連で五穀豊穣関連があるのが特徴的かなと思いましたがそれ以外に傾向を見つけるのは困難でした。
 


 共起ネットワークをみても,「神様の光で照らす」「日の出のかがやき」などの輝かしさと,清風や風吹や威風などの「風の要素」と剣や宝や五穀などの実り関係があるように思えるだけで何かほかの法則や傾向などを感じることはできませんでした。
 このあたり私がKH-Coderによる質的分析の手法を知らないから見いだせていない面も大きいとは思いますが,日本語ではない漢文口調の標題だから内容の検討がしづらいのもまた確かなのだろうなあと。
 そういう意味では標題そのものではなくその解説文やその元となった故事などを分析対象とすればもう少し意味を反映した分析が出来そうですが…その元データをつくるのが面倒…こういう作業はAIに頼るのが一番良さそうだなあと。


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