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20240715 他地域の人間が動画で楽しむ博多祇園山笠

 これを書いているのは7月15日のお昼過ぎ、今の時間くらいに「今日は山笠の日らしいですね」と博多を訪れた人が「全然祭の雰囲気ないんですけど???」と思うに違いない時間だろうなあと。あの、追い山が終わったらなぜか蝉の声が聞こえるようになり、仮眠を終えて出勤のため博多の町を歩くと、あっという間に山笠関係のあらゆるものが片づけられていて、「山笠?なんですのそれ?」みたいな変なよそよそしい空気感に博多の町が満たされていて、「今朝見て感動した山笠は幻か?」と思ってしまう感覚は、体験しないとなかなかご理解いただけないのではと思います。

 そんな感じでどの祭でも「現地で生で体験しないとその良さをフル体験できない」のは当たり前なのですが、動画配信機能が発達した現在、いろんな工夫をすれば臨場感を高めて体験できそうなので、今回自宅で動画配信の山笠を見ていて気づいたことをまとめてみたいと思います。

 去年、「今年はTBSが全国で4Kで中継してくれる」とこのNOTEで書いていて実際にTBSで見た記憶があったのですが、今年はそのことをすっかり忘れてしまっていて、KBCの『アサデス。アプリ』でしか見られないと思ってそれでみておりました。
 しかしこのアプリではスマホの縦位置の1/3程度の大きさでしかみられず、また山笠の現地の映像だけではなく取材してきたビデオが多く流れるし、福岡出身だけど一回も山笠をみたことがなく今回初めてみるゲストさんを中心に司会進行が行われるため「臨場感」がかなり損なわれるのが残念無念なのですよね。大黒流の散髪屋さんの様子などを知ることができたのはありがたいのですが。

 そのため、『アサデス。アプリ』でみながらX(旧Twitter)で生の情報集めて臨場感を確保していると、『朝日新聞LIVE』がYoutubeでライブ配信していることに気づきました。これは録画が今でもみられるのでぜひご覧ください。
【書誌情報?】
朝日新聞LIVE 2024 【ノーカット】【ライブ終了済み】博多祇園山笠「追い山笠」(2024/7/15).

 で、気づいたのがこの『朝日新聞LIVE』のライブ配信が「臨場感」の視点ではかなり良いということでした。
 おそらくこの動画は、櫛田神社の桟敷席の「お」席と「か」席の間あたりから、テレビ中継用の高級カメラではなく動画配信用のカメラで、ズーム操作や方向の移動などはほぼないままで同じ画角でノーカットで映し続けているだけなのですが、ある意味それは桟敷席で座っている人の司会そのものなので臨場感あっていいなあと。
 また、マイクもおそらく高性能の指向性のあるものではないからなのでしょうが、逆に桟敷席で聞こえる音を全部拾ってくれます。強く降りしきる雨の音、マイクの近くでしゃべっているおいしゃんたちの会話、雨でぬかるんだ清道に残った山の轍をならすための地下足袋のざっざという音…そういう音が漫然と広がるのがいいなあと。なお、この音の臨場感はやはりヘッドフォンで聞くからであって、オーディオにこだわっていない普通のテレビのスピーカーで聞くと音が平面的になって臨場感はかなり減る気がします。
また、桟敷席では毎年KBCのアナウンサーが長年引き継がれてきた定番のアナウンスで山笠の説明がなされ、「30分前!」「10分前!」などと少しずつカウントダウンをされることで桟敷席にいる人全員の一体感が増していく気がします。これは別に桟敷席じゃなくても、現地でずっと待ち続けているとその場にいる人たちに何か連帯感みたいなものが出来上がってくるのと同じことだと思います。
 しかしテレビ局の中継だとだいたい準備されていた内容を流したり、アナウンサーの会話を流したりするので、そのせいで桟敷席のあの一体感の臨場感が全く体験できなくなるのが残念だなあと。
 このあたり、今年の桟敷席のアナウンスを務められたKBCの長岡大雅アナが、同じくKBCの『アサデス。アプリ』の中継の中にでてきて「今から櫛田神社のアナウンサーになるのでさようななら」のようなことを言っていたのが何か関係あるのかなと。

 桟敷席の状況のみを映し続けるということは、テレビ放送でよく差し込まれる他の清道の様子や大博通りの蛇行や廻り止めの感動を知ることができない残念さはありますが、今後はカメラを増やしてそうした状況を割り込んで放映するのではなく、やはり桟敷席のみをずっと流してくれるこの方法を維持してほしいなあと。
 Youtubeのライブなら複数のチャンネルを同時に配信するのも平気でしょうから、櫛田神社の清道と周り止め、そしてどこかの通りの様子などをを定点カメラで複数のチャンネルをつかって流してくれるといいのになあと。
 あと、『朝日新聞LIVE』のライブ配信と『アサデス。アプリ』を同時に見ていて気付いたのは、だいたい10秒くらいのタイムラグがあり、『朝日新聞LIVE』のライブ配信の方が早いのでより臨場感が高いなと思いました。
 まあでも画質の面でいうとどう考えてもテレビ品質の『アサデス。アプリ』の方が上なのですが、スマホの小さい画面のさらに小さい領域でしかみられないのがやはり残念無念でした。

 最後に、以下の動画は追い山ではなく13日の集団山見せですが、YouTube「テレビ西日本公式チャンネル」でみることができます。これはテレビ番組のものであり複数場所をあわせたものですが、余計なアナウンスや録画ビデオが少なく、山を舁きだす前の現地での会話や準備の様子を結構そのままで放映してくれているので臨場感は結構高めだと思います。

 まあでもこうして臨場感の高い動画を楽しめば見に行きたい欲求は低下すると思ったら余計に見に行きたくなってしまいましたが。

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