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20231003 大人の異年齢集団としての祭

 先日,神戸のだんじりの写真をみていて,博多祇園山笠と「参加者における各年代の比率に違いがあるのでは?」という感想を書きました。
 そうしたことに関して何か先行研究でも探せれば…と思いCiNiiのページを開いて迷ったのは「どのワードで探せばよいのだろう?」ということでした。
 子どもの場合,「異年齢集団」というワードがそれに相当して,検索してみると247件も論文が出てきました。特に多いのが,小学校での縦割り学級に関する研究で,修士時代の恩師の研究もでてきて,祭に関しても異年齢集団に関しても,今の研究テーマに関してはこの修士時代の恩師の教えが大きくかかわっているよなあと再確認しました。

 まあでも私が知りたいのは大人の異年齢集団…なんか1本でも大人に関する研究を見つけられれば!と祈りながら上記の247件のタイトルを眺めてみましたがざっとみたところ1本も存在しませんでした。
 確かに祭にしろ,地域にしろ,職場にしろ,大人の集団が異なる世代から成り立つのは当たり前であって,わざわざ大人の集団について「いろんな世代が集まっている」という名称をつけて呼ぶことは少ないように思えます。
有名な中根千枝先生の『タテ社会の人間関係』に各年代の比率についての記述ってあったかなあ…正直じっくり目を通したことないので一度確認してみないとと。

 大学の場合,自己点検の書類を作成するときに,構成員の年代の偏りなどが指摘されて,採用計画を立てる必要性を指摘された記憶もあります。また,小中高の教員に関しても,退職前と若手の数が多く,氷河期の採用が少ないため教員の各世代間の伝承ができていないからこそ「教師のバトン」の活動が目指されて結果炎上してしまったような記憶もあります。

 「上の世代ばかりで下の世代が少ない逆三角形型は船頭多すぎて船山に登る系になりやすい」とか「上の世代と下の世代ばかりで中間の世代が少ない組織は…」とかの知見とかはいっぱいありそうではあるので…組織論的なところを探れば出てくるのかなあと。
 まあでもこうした視点で「集団の多世代性」といったことや「世代継承がうまくいっているかをその集団の各世代の割合と結びつけて考える」ということを祭に当てはめて考えるのは意義がありそうなので,某先輩から「世代性に関する新たな研究の案はないのかね?」と尋ねられてもいるのでこの視点で少し掘っていってみたいと思います。

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