matsurikage

カクヨムで発表している小説を一部載せています https://kakuyomu.jp/…

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カクヨムで発表している小説を一部載せています https://kakuyomu.jp/users/matsurikage またかつて、下記のサイトでアニメに関するコラムを書いてました http://www.junkstage.com/jyun/?cat=5&paged=4

最近の記事

(社長命令)半年以内に彼女作って来い!!

ある日の昼間。仕事中、俺は唐突に偉いおっちゃん達に呼び出された。 会議室のソファに深々と腰掛けて偉いおっちゃん達二人が 、俺が来るのを待っていた。 俺は二十代前半。社会人二年目、名前は淳。 一週間に三十本はアニメを見る重度のアニメオタクだ。 一体何の用だろうか? 呼び出されるようなことは何もしていないが・・・・・・ 俺に座るように促した後、彼らは用件を切り出す。 偉いおっちゃんA「お前・・・・・・今までに彼女は?」 俺「はあ? いませんが」 偉いおっちゃんB「一度

    • 天上界の花精霊3話

      窓の外から夕日が差し込み、遥と葵の父が一向に帰ってこないので、華耶はどこに行ったんだろうと思って退屈しのぎに、病院内を散策することにした。  面会の時間も終わり、見舞いに来た家族などが次々と帰っていく。診察を待っている外来患者もほぼいなくなり、混雑していた通路はスムーズに通れるようになった。  ナースステーション付近を歩いていた時、看護師達が慌ただしく走り回り、口にしている言葉が華耶の耳に入った。  誰か病院から抜け出していなくなったようだ。 「外出許可を申請していた

      • 天上界の花精霊2話

        「逃げよう」  「ダメ……。お父さん来るから」  妹の呼びかけに憔悴しきった顔で遥が答える。畳の上で体を壁に預けて、ぐだっとしていた。頬や手足に痣がある。 「その前にお姉ちゃんが――」  妹が泣き出しても、彼女のここを離れたくないという意志だけは、変わらなかった。 「一か月前お父さんから手紙が来た。来月行くって。その後、何通か来てた。お母さんがいないとき、全部読んだわけじゃないんだけど、漢字もいっぱい書いてあったけど、来る日も決まってるみたいだった。でも、どこを探し

        • 天上界の花精霊

          あらすじ  天上界の見習い精霊(天使)である橘華耶の仕事は、三途の川を渡る死者の手助けや死者の魂が魔の手に落ちることを防ぐことであった。  ある日顔見知りの三途の川の地蔵が、賽の河原から脱走した幼い姉妹を庇い地上界へ共に逃亡するという事件が起こる。  華耶は彼女達のことが気になり後日、独断で地上界へ。  脱走した姉妹は何年も会っていない父に会うため、虐待されていた母の待つ家に帰っていた。家で待っていれば父が会いに来てくれると信じ、母の虐待に耐えていた。  姉は妹のことを華耶に

        (社長命令)半年以内に彼女作って来い!!

          天上界の花精霊

          死者達が渡る三途の川。  河原から草むらの生い茂った小道が伸びていて、途中に一体の地蔵があった。  何の変哲もないただの石像である。のっぺりとした顔に、赤いよだれかけ。手には短い錫杖を持っている。  そこに腰を落とし、地に膝を付き、手を合わせて熱心に拝んでいる少女がいた。  橘華耶(たちばなかや)。背は150センチ、体重は四十五キロ前後。  髪型は明るめの茶髪のショートで、オレンジのガーベラの花の髪飾りを頭の横につけていた。  花柄の可愛いピンク色の着物に、袴は赤色で短くスカ

          天上界の花精霊

          星が握る命運

          東京・星見(ほしみ)市。深夜0時頃――  背の高い山々に囲まれた街の外れの森の奥深くに、広大な敷地を持つ研究所があった。監視カメラや有刺鉄線が張り巡らされ、普段はひっそりとしていて誰も近づかないような所なのだが、施設内には警報が鳴り響いていた。  覆面の男が廊下を逃げている。男は中肉中背で、腕には幼稚園の年長ぐらいの女の子を抱えていた。女の子は、現在(いま)は気を失いぐったりしている。  数人のいかつい黒服のガードマン達が怒号を飛ばしながらそれを追っていた。  少し遅れて、夏

          星が握る命運

          あたしと付き合いたいのならオタクをやめなさい!(カクヨム短編応募用)

          「あたしと付き合いたいのならオタクをやめなさい」  長い金髪の少女がにっこりと微笑み、流暢な日本語で言った。  Tシャツとジーパンというラフな格好だ。日本と北欧のハーフで、背が高く大学生ぐらいに見える  スタイルが良く、胸は無いものの モデルのようで街中でスカウトやナンパされることもしょっちゅうあるという。  髪は明るい金髪で、眼の色は青に近く、肌も積もったばかりの新雪のようで、もしフィギュアスケートで着るようなひらひらの衣装を身に着けていれば、美しい妖精のようだろう。  彼

          あたしと付き合いたいのならオタクをやめなさい!(カクヨム短編応募用)