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2019年コーヒートレンド考察&2020年トレンド予想

年の瀬、いよいよ2020年がすぐそこまで来ていますね。

5月からバンクーバーに住んでいることもあり、例年に比べると日本国内のコーヒーショップを回ることは少なかったのですが、海外からでもコーヒーにまつわるニュースは常にチェックしていました。

その中で、私が感じた日本のコーヒー業界の今年の流れ的なもの、そこから来年はどう発展していくのかという考察をまとめてみたいと思います。


- - - 2019年コーヒートレンド考察- - -

人気コーヒーロースターのロースター付きカフェが次々とオープン

基本的にロースター(焙煎場)は、カフェの店舗とは別の、倉庫的な場所で行われていることが多かったのですが、現在はカフェの店舗の中に大きな焙煎機を置いていたり、焙煎の工程を見せるシーンが多くなっているように思います。

FUGLEN COFFEE ROASTERS
もともと渋谷・神南にあったロースターが移転。多摩川沿いの眺めのよい、のんびりとした場所に9月オープン。

ONIBUS COFFEE
中目黒店にも焙煎機がありますが、新しくオープンした八雲店にはさらに大きな焙煎機を導入。コーヒートレーニング施設も備えているそうです。

Passage Coffee Roastery
祖師ヶ谷大蔵の商店街を抜けた住宅街にひっそりと。焙煎機は客席から距離感なく置いてあり、まじまじと見ることができます。

また、新しくできたコーヒーショップでもロースターカフェの形を取り、店内に焙煎機を置いているお店が増えてきたように思います。


2019年2月28日
スターバックスリザーブロースタリーが中目黒にオープン

今年の日本のコーヒーニュースを語るに外せないのがこちらでしょう。上の話題にも関係しますが、消費者の目が、生産者や焙煎など生産プロセスにも向くようになったと思います。

訪れた人が「コーヒーのテーマパークだった!」と口々に言っていたのが印象的。

焙煎機や生豆(焙煎する前の緑色したコーヒー豆)を見たことがない方もいらっしゃるだろうし、スターバックスのような大きな会社だからこそ多くの人に届けることが出来るので、これでコーヒーの奥深さや楽しさを知る人が増えたらいいな…と勝手に胸が熱くなった出来事でした。

(ちなみに第一号店であるシアトルのリザーブロースタリーにも行きましたが、中目黒の店舗が圧倒的にテーマパーク感満載で楽しすぎました…トーキョーすごい)

▼私の訪問レポートはこちら

エンターテインメント性のあるコーヒー

コーヒーを「飲む」だけではなく、特別な体験をプラスした形を提案されることが増えました。

上に書いたスターバックスのアミューズメントパークのような体験も然り、

ガチャガチャで出てきたコーヒー豆を自身で挽き、ドリップするという体験型カフェの登場(期間限定で、現在は終了しています。)

LINEで事前注文した自分好みのコーヒーをロッカーで受け取れるTOUCH AND GO

のようなユニークな形で、コーヒーを楽しむシーンが増えました。

また、近年は日本全国でコーヒーフェスティバルの開催がかなり増えてきましたが、音楽ライブと掛け合わせたり、パンや和菓子のフェスティバルにコーヒーショップが出店していたりと工夫を凝らしエンターテインメント性の高いフェスティバルを多く見るようになりました。


2019年11月1日
世界初のゲイシャ専門店「GESHARY COFFEE」東京にオープン

「ゲイシャ」という、なんとも目を惹く名前ですが、スペシャリティコーヒーの中でも最高品種と言われるコーヒー豆の種類を指します。ちなみに日本の「芸者」とは関係がありません(笑)

※スペシャリティコーヒーとは…豆の生産地、精製、流通、焙煎からカップに至るまで、全てのプロセスにおいて適正な品質管理が徹底された高品質なコーヒーのこと

私がスペシャリティコーヒーショップでバリスタとして働いていた際は、とにかくゲイシャを、というお客様も少なくありませんでした。特にアジア圏では人気なように思います。

一般的に想像されるコーヒーの苦さはなく、花のような香りや柑橘のようなフルーティーな酸味がある、鮮やかで華やかなゲイシャ種のコーヒー。その味わいを最大限に引き出すため、この店舗のために開発された全自動のドリップマシンFURUMAIも注目を浴びました。

Web site: Geshary Coffee


- - - 2020年コーヒートレンド予想 - - -


カフェ以外の場所でのコーヒーが充実

既に始まっている傾向ではあるのですが、ホテルや美術館、コンサートホールなどで提供されているコーヒーが、単純に言うともっと美味しくなるのではないかなぁと思います。

ホステルやホテルの一階部分にコーヒーショップが併設されているのも主流になってきましたね。HOTEL SHE, にはWorkbench Coffee Roasters、9hours hostelにはFUGLEN COFFEE ASAKUSAやGlitch Coffee Brewed...などなど。

(個人的には高級コースの食後のコーヒーが美味しいものが飲めると最高なのにな…と思っています。)

LIGHT UP COFFEEの代表、川野さんがオフィスに淹れたての美味しいコーヒーを毎日届けるサービス「WORC」を始められたり。

落合陽一さんの写真展覧会の会場ではその展覧会オリジナルのブレンドコーヒーが楽しめたり。

丸山珈琲さんが香港のハイエンドホテルにフィーチャーされ、期間限定ではありますが、コーヒーの監修をされたというお話も聞きました。

コーヒーの存在する、ありとあらゆる場所が変わろうとしている兆しが見えています。ただの飲み物、ではなく世界観を表すツールの一つになっていくのでは。


環境に配慮したブランドが支持されていく

現在、コーヒー業界で大きく話題になっているのがコーヒーの2050年問題。地球温暖化によってコーヒーの採れる生産地の環境が変わりつつあり、2050年にはコーヒーが採れなくなってしまう、という予想が立てられています。

これはコーヒー業界だけではなく世界的な問題であり、既に多くのブランドが動き始めています。特にコーヒー業界は自分たちの商売と隣り合わせな問題なので、かなり深刻に向き合わなくてはいけないでしょう。

ブルーボトルコーヒーがテイクアウトカップにバイオプラスチックを使用していたり、土の中で分解可能なバンブーファイバーを使用したエコーヒーカップとコラボしたエコカップが発売されたり。(大人気で売り切れだそうです。私も以前からエコーヒーカップ使用しているのですが、おすすめです!)

そのブランドの世界観を示すために、紙カップや包装などのデザインが重要ではありますが、それよりも環境に配慮する姿勢をクールに捉えてもらえるようになるといいな。

(トレンド予想というか私の願望になってしまいました。あと、個人的には豆のパッケージいらないので、量り売りしてくれるロースターが増えてほしいです。)


スマホテックと連携した器具やシステムが浸透する

業界的には既に多くの器具が発表されていますが、自動ドリップマシンがスマホでレシピをコントロールできるようになっていたり(GINA)、パナソニックから発売されたThe Roastという家庭用焙煎機も、焙煎のプロファイルをスマホのアプリで管理。

価格帯的にはまだまだ一般消費者的には手が届きにくいのですが、もう少し安価なスマホと連動したドリップマシンは増えそう。

また、スマホからコーヒーを注文できるシステムはもっと浸透すると思います。私もバンクーバーではSiplyというスマホで注文・精算まで完了できるアプリを使用していますし、中国のラッキンコーヒーもスマホオーダーのみ。


コーヒーを通したコミュニティの確立

オンラインサロンやオンラインコミュニティの波がコーヒー界にも少しづつ。

・2014年ワールドバリスタチャンピオンの井崎英典さんが主宰するオンラインサロン「コーヒー共和国
・お笑い芸人コーヒールンバの平岡佐智男さん主宰「Hiraoka Coffee Maison

また、コーヒー好きの集まるソーシャルアパートメントも。それから、コーヒー界隈はInstagram上で一定のコミュニティができているように感じます。(今度詳しく書きたい)

カフェという限られた場所のコミュニティから、オンラインや暮らしの場面にもコーヒーを通した拡がりを見せていくでしょう。

💭

他にもぼんやりと思っているのが、

・コーヒー農園への訪問ツアー
・コーヒーカクテル(ノンアルコール含め)
・セルフロースト

あたりも2020年のキーワードになりそうだなと思っています。他にもこんなことが来そうだよ〜というのがあれば、ぜひ教えてください!

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