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29 よかったねぇ、よかったねぇ

動物医療センターでちょっとと会ってから2週間が過ぎ、12月になった。ちょっとが入院して1ヶ月が過ぎた。2度の手術を経て、病院からの連絡先は思わしいものでは無かった。術後の傷の治りは遅く、便の出は相変わらず悪く、血が混じる。傷が癒えれば多少は状況は良くなるでしょう、との言葉だけが、かろうじて希望的なのだった。実際のところ動物医療センターの先生は良くやって下さった。手術は困難で手が及ばなかった部分もあるとも聞かされた。ネットで調べて会陰ヘルニアは再発の可能性が高い事も知っている。先生はリスクの高い手術を引き受けてくれたのだ。遠回しな言葉の積み重ねの先に、もうこれ以上は何も出来る事は無いと言う病院側の答えを見る事が出来た。あとはこちらの気持ちの落とし所次第なのだった。
傷の状態から、もう良いでしょうと言う事でちょっとが奄美大島へ帰って来たのはそれからさらに2週間が経った12月の半ばの事だ。排便は困難で、ちょっとは痛みで悲鳴のような声をあげた。便には鮮血が付着した。地元の獣医と相談し、便を軟らかくするラクツロースを毎日与える事にした。牛乳でお腹がゴロゴロする、あの成分だ。

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散歩に行くとウォーキング中のオバァたちが歓迎してくれた。ちょっとを撫で回し、「よかったねぇ、よかったねぇ」と何度も言ってくれた。ちょっとは愛されている。よしお父ちゃんがオマエの病気とトコトン付き合ってやる。そう決めた。

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