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30 ちょっちゃんの入院費用は私が出します

2度の手術を経て、ちょっとは家でクリスマスを迎える事が出来た。傷の場所が場所だけに治癒が遅く排便は相変わらず困難だったが、傷が癒えれば状況も良くなるのだと信じて毎日を過ごすしかないのだった。ラクツロースを与えるのを怠ると便が硬くなってせっかく治りかけた傷がまた振り返した。薬をしっかり与えて便を柔らかくし、傷口を直す。それから徐々に薬の量を調節しようと戦略を固めた。

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排便時こそ痛さで悲鳴を上げたが、普段のちょっとは、まずは元気なのだった。ご飯も良く食べた。オモチャを投げて取って来る遊びも大好きだ。きっと排便の困難さは一生治らない。だから上手に付き合って行く。そう決めてしまえば、あとは普通の日常なのだった。年を経れば病気にもなるしケガだってするだろう。そして老いる。その間に家族としての関係性は成熟して行く。

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ちょっとが初めてわが家に来た時、厄介な生き物を連れて来た婿に対して露骨に嫌な顔をしてみせた義母が、ちょっちゃんの入院費用は私が出しますと言った。ペット保険に入っていなかったので、鹿児島まで運んだ航空運賃と手術代、1ヶ月半の入院費用を合わせると相当な額だ。6年の間にちょっとの存在は、私たち家族の関係性にただならぬ影響を与えていたのだ。

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