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アルコール依存のリアル
あなたにとってお酒とは、どのような存在だろうか?
楽しいもの
美味しく味わうべきもの
苦しみから解放される為の鎮痛剤のようなもの
色々な考えがあって然るべきだが、
お酒との距離感を間違えると、知らず知らずのうちに目の前に人生の崖が現れ、もう堕ちるしかない状況に立たされるのだということを、今一度頭に入れておいてほしい。
私が初めてお酒を口にしたのは、15歳の頃。
友達がふざけて買ってきた甘めの缶チューハイを、1口、2口と口に含んでは、気分が高揚してとても楽しかったのを覚えている。
高校に上がった頃には既に晩酌までしていたくらいにお酒との距離は急速に縮まっていった。
お酒は楽しいものだ
20代前半頃には既に一通りのお酒の味を覚え、またある程度のお酒の失敗も経験して、二日酔いのあの辛い一日も何度も経験した。
しかしながら、お酒がきっかけの仲間も居るしお酒が結んだ恋もいくつかあった。
音楽を聴くにも、お喋りするにも、考え事をするにも、お酒があればとても心地よく、心の潤滑油のように思えた。
お酒は楽しいものだ、と。
28歳 突如現れた崖
20代ながらお酒を長年飲み続けていた私は、年長者からは
「若いのに良い飲みっぷりだ。」
と気に入られ、また年少者には
「美味しいお酒やおしゃれなバーに詳しくて、羨ましいです。」
と持て囃されることも多かった。
誉められると人間弱いもので、もっと誉められるように頑張ろうとするものであり、耳慣れないバーや飲食店の情報をキャッチしてはすぐに覗きに行き、そのお店でもまた違うお店を紹介してもらうという、終わりなきアルコールループにはまっていったのだ。
今思えば、その辺りから少しずつ歯車は狂いだしていたのだろう。
28歳になった頃、6歳年上の兄が自殺した。
いつも酒を飲んでふざけあった仲だっただけに、本当に辛かったし、責任を感じた。
「俺が早く気付いてやれていれば…」
その日を境に、私にとってお酒は楽しいものではなく、苦しみから解放される為の鎮痛剤となってしまったのだ。
長時間労働者の私は、夜の1:00に仕事を終えては明るくなる頃までお酒を飲み続け、翌朝は9:00には職場に向かう。
兄の事があり、始めは周囲も私に気遣いの言葉を掛けてくれたが、1ヵ月以上経っても毎日酒の臭いを充満させ、パンパンに浮腫んだ顔と虚ろな目で出勤する私の姿に、周囲は少しずつ距離を置くようになった。
私は周囲のその様子に腹を立ててしまい、時に理不尽な叱責や不躾な態度で仕事に臨んでしまった。
周りとの溝は、どんどん深く、広くなるばかりだった。
仕事の時間が来たので、続きはまた近日改めて筆を取るとしよう。
くれぐれも、お酒との距離を間違えないように。。
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