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<スペイン非営利ビザ>ビザ取得後スペイン入国前に用意して・知っておくべきもの・こと(N.I.E, Tarjeta de residencia, Empadronamientoなど)

日本でスペインの非営利ビザを取得し、これで1年はスペインにいられる~と浮かれていた自分に教えてあげたい、入国前に必ず知っておくべきことを紹介する。

スペインに非営利ビザで入国する人が必ず知っておくべきこと8つ

子連れの場合、アポスティーユと法定翻訳人の翻訳を付けた戸籍謄本を取得しておく

子連れでスペインに行く場合、子供との関係を証明する法的な書類が必要となる。スペインでは「出生証明」と言われるが、日本においては戸籍謄本が該当する。

日本で非営利ビザを取得する際には、戸籍謄本にアポスティーユと翻訳を付けたもので事足りるのだが、スペイン国内では法定翻訳人による翻訳付きのものを用意しておいた方が間違いがない。

日本語とスペイン語の翻訳ができるスペイン政府が認めた法定翻訳人は3名くらいしかいない(現在活動していない人は除く)。しかも、私が個人的に連絡したところ、そのうち1人は返信なし、1人はメールアドレスが不明で戻ってきてしまい、残る一人は忙しいから今は受けられないとのことだった。

スペイン外務省 法定翻訳人リスト(1115ページから1117参照)
https://www.exteriores.gob.es/es/ServiciosAlCiudadano/Documents/TraductoresEinterpretes/LISTA_TTJ_ACTUALIZADA%20A%2028%20OCTUBRE.pdf

そこで筆者が頼ったのが、日本にいる行政書士だ。日本でのビザ申請時にもお世話になった方で、とても信頼がおける方だ。こちらが知らないこともアドバイスをくれたり、急ぎである旨を伝えるとわずかな費用アップで対応してくれた。

〒150-6141  
東京都渋谷区渋谷2丁目24番12号
渋谷スクランブルスクエア41階
行政書士法人カットベル国際法務事務所
TEL:03-6416-4990 
FAX:03-6416-4991

居住予定地の弁護士を探しておく

スペイン語が話せない人は、スペイン内の居住予定地において英語が話せる弁護士を探しておくのが得策だ。中にはコンサルティングだけで費用が必要とする弁護士もいるが、多くの場合こちらがやりたいことを伝えると、先方ができることを教えてくれる。それが自分のやりたいことに合っているようであれば、前金を支払い、終了後に残りを支払うというシステムが多い。

筆者はTarjeta de residencia(居住カード)の申請をしたかったのでその旨を伝えたところ、その前にEmpadronamiento(住所登録)が必要であることが分かった。これはスペイン中どこでも同じだろう。下記でも説明するが、Empadronamientoを申請するには、6か月以上の賃貸契約書があるとスムーズだ。

筆者が依頼した弁護士は以下のことを請け負ってくれた。

・Book the 3 appointments for police fingerprints
(警察署で指紋を採取する必要があるのだが、個人でやろうとしても全く予約が取れない。この点において弁護士に相談することをお勧めする)
・Advice all the documents to prepare
(用意するべき書類をすべて教えてくれる)
・Prepare the forms and pay the government prior to the appointment
(申請に必要な書類を用意し費用の支払いをしてくれる)
・Accompany you to the police station the day of the appointment
(予約の日には警察に同行してくれる)
・Follow up the residence card timings after the fingerprints
(指紋採取後は再度予約をして警察署に居住カードを取りにいかなければならない。そこまでフォローしてくれる)

ここまでで150ユーロ+子供一人につき80ユーロ。加えて後述するEmpadronamiento(住所登録)のサポートもお願いする場合は追加で100ユーロとなる。Empadronamientに必要な賃貸契約の確認及びオーナーとのやり取りについても100ユーロで請け負ってくれる。

できればスペインに直接フライトをしてスペインでパスポートにスタンプをもらう

スペインにおいて非常に困るのが、弁護士であってもすべてのケースを理解しているわけではなく、また調査もどこまでしてくれるかその人のさじ加減次第であるということだ。

筆者が依頼した弁護士は、スペインに入国した際のスタンプが必要であると言ったのだが、シェンゲンでは入国した一つ目の国でしかスタンプがもらえない。筆者の場合フランクフルトを経由してスペインに入国したため、スタンプはドイツのものとなってしまう。

シェンゲン外からスペインに入国していればこの問題は発生しなかった。面倒を避けるためにも、シェンゲンに入る一国目がスペインになるようにプランするのが良いだろう。

もしシェンゲン域内の他の国を経由してスペインに入国した場合は、入国したということを証明するために入国後2日以内に警察署に行ってスタンプを押してもらう必要がある。こちらの詳細については以下の別記事で紹介している。

Empadronamiento(住所登録)ができる部屋を6か月以上賃貸契約すること

最終的な目標はTarjeta de residencia(居住カード)を取得し、1年間の滞在を許可されること。そのためにはEmpadronamient(住所登録)が必要となる。

筆者はこの申請について理解しておらず、なんとAirBnBで半年以上の契約をしてしまっていた。それには理由があり、現地で外国人が賃貸契約を結ぶのは一筋縄ではいかないためだ。理由は以下の通り。

①外国人に部屋を貸したがらないオーナーがいる
②外国人であればスペインでの輸入がある人に貸したい
③数名候補者がいた場合はスペイン人に貸してしまう
④外国人は吹っ掛けられる

上記の通り、外国人が良い条件で賃貸契約を結ぶのはなかなか難しいのである。筆者も1か月ほど試したのだが、「契約したいなら部屋を見ないで決めろ」とか「ソファーはぼろいから自分で買い替えてくれ」とかにわかに信じがたいことを言われて挫折したのである。

Empadronamientは、実際に居住していなくても家を所有している知り合いにお願いして申請することも可能だ。6か月以上の賃貸契約か、Empadronamientの申請をしてくれる知り合いを必ず見つけておくようにしよう。

日本でビザ取得時に提出したEX-01フォームに記載した住所と同じ市でEmpadronamiento(住所登録)をすること

スペインに来て借りたAirBnBのエージェント(オーナーと借主の間にエージェントが入っていることが多い)が、オーナーはEmpadronamientをさせてくれないけど自分の家ならオッケーというので話を進めようとした。

ところが、エージェントの家は筆者が日本でビザを取得した際に提出したEX-01フォームで記載した住所の市と異なる市に家を保有していた。基本的にEX-01フォームに記載された住所の市と同じ場所でEmpadronamientoをする必要があるそうなので、フォーム記載時には住む場所をあらかじめ決めておく方が得策だ。

Ex-01フォーム:https://extranjeros.inclusion.gob.es/ficheros/Modelos_solicitudes/mod_solicitudes2/01-Formulario_residencia_no_lucrativa.pdf

プリペイドのSIMを購入してスペインの電話番号を取得する

現地での電話番号は何かと必要になる。そのため現地に着いたらまずプリペイドのSIMを購入し、電話番号を習得しよう。

下記で紹介する居住関連の手続きには、現地の電話番号が必要になることが多いためだ。

銀行はオンラインバンクで十分。電話番号を取得したら開設しておこう

スペインでCaixa bankの口座を開けようとしたのだが、口座が欲しいならこれを買えといってよくわからない見守りのための防犯ツールのようなものを売りつけられそうになった。契約は5年単位だそうだ。月々の分割払いだが、計算したら30万円ほどかかる。1年しか滞在しないと言っているのにひどすぎる。

他にもBBVAとSabadellに行ったが、どちらも日本国内における経済活動を証明する書類にスペイン語の翻訳を付けて提出しろと言われた。領事館に聞いてみたところ、このところ銀行口座の開設が難しくなっているようだ。

最終的には、オンラインバンキングでやりたいことがすべてできることが判明し落ち着いた。私がやりたかったのは

①日本からのまとまった送金を受ける口座を保有する
②スペインからの送金を受ける口座を保有する
②スペインにおいてユーロで決済する

同じ目的であれば、以下のオンラインバンキングですべて事足りる。物理的なカードが欲しければ送付してくれるし、Google payにデビットカードを登録しておけば、口座から直接ユーロ決済をすることが可能だ。

Revolut

スペインでの居住に必須なもの4つ


日本でビザを取得した後、スペインに居住するために必須のものを紹介する。

N.I.E(居住者番号)

配達の荷物を受け取る際などにも必要になるこの番号。日本で非営利ビザを取得した場合は、ビザにすでにN.I.Eの記載があるはずだ。そのためスペイン国内で申請する必要はない。

Empadronamiento(住所登録)

スペインに居住するためには、賃貸契約書かオーナーの許可とサポートを得て住民登録をする必要がある。

賃貸契約:6か月以上が基本(3か月以上の地域もあるらしい)。シェアハウスなどの場合は契約があるからと言って必ずしもオーナーがEmpadonamientoを許可してくれるとは限らないようなので、賃貸する前に前もって確認しておいた方がよいだろう。

オーナーの許可:契約期間は問わず、オーナーが自身のIDと電気料金などの支払い用紙、委任状などを用意してくれることで登録が可能となる。登録は各市のタウンホールに出向いて行う。時間は5分程度でできるとのこと(自筆者は準備中)。

Tarjeta de residencia(居住カード)

日本でビザを受け取る際に一緒に渡される用紙には、この「Tarjeta de residencia」をスペイン入国後一か月以内に申請するようにと記載されている。前もって上記すべてを理解していた人にとっては難しいことはないのだが、筆者は全く分かっていないことが大半だったので非常に苦労した(実はまだしている)特に上記のEmpadronamientが必要ということがポイントだ。

ちなみに、指紋採取後居住者カードを取得するまでに4週間から5週間かかるそうだ。

在留届も忘れずに提出しよう(オンライン申請)

20年前にフランスに留学した際は無かったと思うのだが、現在は在留届がオンラインで申請できるようになっている。日本とのつながりを切らさないためにも、必ず提出しておこう。

筆者もまだすべての申請を終えたわけではないので、後日続報として経過をお伝えしたいと思う。

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