ここにいない誰かを想う、もうひとつの時間。#『旅をする木』星野道夫。
たったひとつの風景を思い出す時、
そこに流れているのは、
ゆるぎない風景への信頼だと思う。
風景と共になつかしい人がたち
現われる時も思い出している
その最中は、絶対的にそのひとが
いまも自分の中でいきいきと生
きているという
確信のもとに、かけがえのない
瞬間を思い出している。
写真家の星野道夫さんのエッセイ
『旅をする木』のページを
めくるたびにそんな思いに駆られた。
1978年にアラスカに暮らし始めた
頃のご自分の日記を紐解きなが
らつづられている。
その文章はわ