アボカドな夜、泣いてみなくちゃわからない。#忘れらない恋物語
アボカドの真ん中あたりにぐるりとナイフを入れる。
ドアノブを握った時みたいにして、捩じる。
ぽこっとひとつだったものが、ちゃんと半分になって
あらわれる。大きな種が埋まってる。このでっかすぎる
種が、ちゃんとそこにあるのをみて私はなぜだか安心す
る。
キッチンのドアが開く音がした。
ゆっくりと丁寧に、ノブを廻している。甚さんの癖。
梅雨のあいあに来てくださいねって言っていたのに、
梅雨明け宣言されてから1週間も過ぎてから屋根の修理を
しに、彼はすまなさそうにや