ひと昔前に流行ったリモート接続を行うためのプロトコル【TELNET】

はじめに

パソコンを使ってリモートで他のコンピュータに接続し、操作するのは現代の技術においてよくあることです。
TELNETはそんなリモート接続のための昔からある方法のひとつです。

今回はこのTELNETについてとその使用方法などを見ていきます。

TELNETの基本

TELNET（テレネット）は、リモートコンピュータに接続し、そのコンピュータをまるで自分のもののように操作するためのプロトコルです。
1960年代に開発され、ネットワークを介してほかのコンピュータにログインし、コマンドを実行するための標準的な方法として広がりました。

TELNETを使うことでユーザは物理的に離れたコンピュータにアクセスし、コマンドラインで操作することができます。

TELNETの仕組み

TELNETの基本的な仕組みは、クライアントとサーバーの関係に基づいています。

クライアントはTELNETプロトコルをサポートするソフトウェアを使ってサーバーに接続します。
サーバーはリモートで操作するための環境を提供します。
具体的には、クライアントから送られるコマンドはサーバーに到着し、サーバーはそのコマンドを実行して結果をクライアントに返します。

1.接続
TELNETクライアントはサーバーのIPアドレスとポート番号を指定して接続を試みます。
一般的には、TELNETのデフォルトポートは23番です。
　

2.認証
サーバーは接続を受け入れると、ログイン画面が表示され、ユーザーは適切なユーザー名とパスワードを入力して認証を受けます。
　

3.操作
認証に成功すると、クライアントはサーバー上でコマンドを実行することができ、サーバーはその結果をクライアントに返します。

TELNETの利用シーン

TELNETは現在ではセキュリティ上の理由から使用される機会は少なくなりましたが、以前は次のようなシーンで利用されていました。

・システム管理
遠隔でサーバーやネットワーク機器の設定を行うために使用されていました。

・テスト
サーバーやネットワーク機器の接続テストやポートスキャンの為に利用されることもありました。

・教育
コンピュータネットワークの基本的な理解を深めるために、実際のコマンド操作を学ぶために使われていました。

TELNETのセキュリティ

TELNETの最大の欠点はセキュリティです。

TELNETはデータを平文で送信するため、送信される情報（ユーザー名、パスワードなど）が簡単に傍受される可能性があります。
このため、機密性の高い情報を扱う場合にはより安全なプロトコルが推奨されます。

TELNETの代替技術

TELNETの代替技術として、現在は以下のような技術が広く使われています。

・SSH(Secure Shell)
TELNETの安全な代替手段で、データを暗号化して送信してくれます。
特にリモートログインやコマンド実行において広く使用されています。

・RDP(Remote Desktop Protocol)
Windowsのリモートデスクトップ機能で、グラフィカルなユーザーインターフェースを通じてリモートコンピュータにアクセスできます。

・VNC(Virtual Network Computing)
クロスプラットフォームで動作するリモートデスクトップソリューションで、リモートでのデスクトップ操作が可能です。

TELNETの将来性

今日ではより安全な通信手段が広がっているため、TELNETの使用は減少しています。
しかし、現在使われている技術はTELNETの基本的な仕組みやプロトコルが元となっているので、ネットワークの基礎知識としては依然として重要なものとなっています。
なのでTELNETの技術は、ネットワークの歴史や進化を理解するための貴重な教材となっています。

まとめ

TELNETのリモート接続は古典的な方法であり、インターネット初期のころから使用されていました。
セキュリティの問題があり現在ではあまり使用されなくなっていますが、その基本的な仕組みや概念の重要性は今後も変わらずあり続けることでしょう。

TELNETから歴史を知ることで、より広範なネットワーク技術を身に付けることができるかもしれません。