ファイルやり取りの裏で動いているFTPというプロトコル

2024年7月13日 12:58

はじめに

インターネット上でファイルをやり取りする際に、どうやって大量のデータをあんなに簡単に転送できるのでしょう。

それはFTP(File Transfer Protocol)というプロトコルが裏で働いてくれているからです。

今回はこのFTPについて見ていきます。

FTP(File Transfer Protocol)、ファイル転送プロトコルのことであり、インターネットを通じてファイルを転送するための仕組みです。

例えば、私のコンピュータからwebサイトのサーバーに画像やドキュメントをアップロードする際にこのプロトコルは使われています。

逆にサーバーからファイルをダウンロードする際も同様です。

基本的な仕組みとしては次のような流れとなっています。

FTPにはファイルを送受信する「クライアント」とファイルを保存する「サーバー」が必要です。
クライアントは私たちが使うPCはソフトウェアのことを指し、サーバーはファイルが保存されているリモートコンピュータのことを言います。

クライアントはFTPソフトウェアを使ってサーバーに接続します。
この際にサーバーのアドレス（例：ftp.example.com）、ユーザー名、パスワードを入力します。
この処理により、クライアントはサーバー上のファイルにアクセスできます。

接続が確認されると、クライアントはサーバーにファイルをアップロードしたり、サーバーからファイルをダウンロードしたりできます。

以上がFTPの基本的な動作です。

このプロトコルが広く使われているには、いくつか理由があります。

・簡単なファイル管理
多くのファイルを簡単に管理できるため、大量のデータを一括でアップロードしたりダウンロードする事ができます。

・互換性
FTPは既に長い歴史を持ち、多くのオペレーティングシステムやソフトウェアでサポートされています。
そのため多くの環境で利用することができます。

・効率性
大容量のファイルでも高速に転送できるので、時間を節約できます。

そんなFTPというプロトコルですが、いくつか課題も存在します。

・セキュリティ
FTPは基本的に暗号化されていないため、送受信するデータが第3者に盗聴されるリスクがあります。
なので、重要なデータ転送にはより安全なSFTP(SSH File Transfer Protocol)であったりFTPS(FTP Secure)を利用されています。

・設定の複雑さ
サーバーの設定やユーザー管理が必要なため、初心者には少し難しい領域です。

FTPは1970年代に初めて開発され、その後何度かの改良を経て今の姿に至ります。
もともとインターネットが普及する前から存在しており、当初の目的は異なるコンピュータ間でファイルを共有することでした。

当時はネットワークが限られていたため、FTPは重要な役割を担っていました。
インターネットの普及に伴い、FTPは一般のユーザーにも広く利用されるようになしました。

その後、セキュリティ面で課題が明らかになり、SFTPやFTPSといった新しいプロトコルが生まれたのです。

現代では、webサイトの運営、ソフトウェアの配布、大規模なデータ移動など様々な場面でFTPは使われています。

特に企業や開発者にとっては、FTPサーバーを使って簡単にファイルを共有。配布することができるのでとても便利です。

またFTPは教育の現場でも利用されます。
学生がプロジェクトファイルを教師と共有したり、研究データを保存・転送したりと、データ管理を効率的に行えるよう利用されています。

FTPのセキュリティを強化するには以下のような対策が求められます。

1.暗号化
先ほども言ったように、FTP自体に暗号化する機能はないため、SFTPやFTPSといった暗号化機能を含んだプロトコルを使うことで、データの盗聴を防ぎます。

2.ファイヤウォールの設定
サーバー側でファイヤウォールを設定し、不正なアクセスをブロックする方法もよく見られます。

3.強力なパスワード
どんなことでもそうですが、簡単に推測されない強力なパスワードを設定し、不正なアクセスを防止します。

・アクセス制限
特定のIPアドレスからのみ接続を許可するなど、企業用PCなどではアクセス制限を設けることでもセキュリティを向上させています。

FTPはインターネットを通じてファイルを転送するために欠かすことのできないプロトコルです。

多くのソフトウェアで利用されていますが、セキュリティ面が完璧なわけではないので、重要なデータを扱う際には注意が必要です。

何気なく使っているプロトコルですが、裏ではいつも私たちを助けてくれています。

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