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NoSQLは「No! SQL」じゃない

はじめに

現代のデータ管理においてSQLは主要なDBMS(データベース管理システム)です。

それとは別に"NoSQL"というDBMSが存在します。
これは「SQLを使わない!」という意味ではなく「Not Only SQL」の略で「SQLだけではない!」といった意味を持つSQLです。

このNoSQLもまたデータ管理において重要な役割を果たしており、今回はこのNoSQLについて触れていこうと思います。


1.NoSQLデータベースとは?

NoSQL(Not Only SQL)は、データベース管理システム(DBMS)の一種です。

従来のリレーショナルデータベース管理システム(RDBMS)とは異なるデータモデルと設計哲学を持ちます。

種類もいくつかあり多様なデータモデルをサポートしており、データの柔軟な格納とスケーラビリティが可能になっています。


2.NoSQLのデータモデル

NoSQLはRDBのようにテーブル構造に固定することなく、様々な形式のデータをそのまま格納できます。
そんなデータモデルを以下に記します。

NoSQLのデータモデル



2.1キー・バリュー型
・代表例:Redis, DynamoDB
・概要:データはユニークなキーとそれに対応するバリューのペアで保存されます。シンプルなデータ格納と高速なデータアクセスが特徴です。

2.2ドキュメント型
・代表例:MongoDB, CouchDB
・概要:JSONやBSONなどのドキュメント形式でデータを保存します。ネストされたデータ構造を持つ複雑なデータを自然に扱うことができます。

2.3カラム指向型
・代表例:Apache Cassandra, HBase
・概要:データはカラムファミリーと呼ばれる形式で保存され、大規模なデータセットに対して効率的なクエリを実行できます。

2.4グラフ型
・代表例:Neo4j, Amazon Nepture
・概要:ノードとエッジでデータを表現して関係性を重視したデータモデルです。ソーシャルネットワークや推薦システムに適しています。


3.SQLデータベースとの比較

SQLデータベースとNoSQLデータベースは、異なる設計とアーキテクチャを持っています。

3.1データモデル
・SQL:リレーショナルモデルに基づき、データはテーブルに行と列として格納されます。厳密なスキーマが存在し、データの整合性が保証されます。

・NoSQL:スキーマレス(事前にデータ構造を定義する必要が無いこと)であることが多く、柔軟なデータモデルを採用しています。それぞれのデータ構造に応じたモデルが選択できます。

3.2スケーラビリティ(拡張性)
SQL:垂直スケーリング(スケールアップ)が主流で、より強力なサーバーを追加して性能を向上させます。

・NoSQL:水平スケーリング(スケールアウト)が容易に行え、多数のサーバーにデータを分散することでスケーラビリティを確保します。

3.3一貫性と可用性
・SQL:ACID特性(原子性、一貫性、独立性、耐久性)をサポートし、高いデータ一貫性を提供します。ただし、分散環境では、スケーラビリティと可用性が制約されることがあります。

・NoSQL:CAP定理(一貫性、可用性、分断耐性)に基づき、設計によっては高い可用性や分散体制を優先します。

3.4クエリ言語
・SQL:SQLを使用してデータのクエリを行います。標準化された言語であり、強力なクエリ機能を持ちます。

・NoSQL:データベースによって異なるクエリ言語やAPIを使用します。例えば、MongoDBはMongoDBクエリ言語、CassandraはCQLを提供します。

3.5適用例
・SQL:金融システム、企業の基幹システム、在庫管理システムなど高いデータ整合性が求められるアプリケーションに適しています。

・NoSQL:ビックデータ分析、リアルタイムWebアプリケーション、ソーシャルメディアプラットフォームなど大量のデータや多様データを扱うアプリケーションに適しています。


4.NoSQLデータベースの利点と欠点


利点
・スケーラビリティ
NoSQLデータベースは水平スケーリングをサポートしているので、データ量の増加に対しても容易に対応することが可能です。

・柔軟性
スキーマレスのため、データ構造の変更や異なるデータ形式の格納が容易です。

・パフォーマンス
特定のユースケースに最適化されたデータモデルにより、データアクセスを高速にすることが可能です。

欠点
・一貫性の問題
一部のNoSQLはデータベースは、データの一貫性を犠牲にして可用性を高める設計をしています。

・クエリの複雑さ
SQLのように標準化されたクエリ言語が無いので、複雑なクエリを実行する場合に制約がかかることがあります。

・学習曲線
多様なデータモデルとクエリ言語なので、学習が必要となる場合があります。


まとめ

以上の様にNoSQLデータベースは、現代のデータ管理において重要な選択肢です。

多様なデータモデルと柔軟なデータ格納のおかげで、高いスケーラビリティや高速アクセスを可能とします。

SQLと比較してどちらが正しいというものではなく、求められている要件に応じて使い分けていく必要があります。

私も学生まではSQLしか触ってこなく、まだまだ知識不足な分野なので、またまとめたいことができたら詳しく書こうと思います。

更新の励みになりますので、読んでみて少しでもよかったら、スキ・コメント・サポート宜しくお願いいたします!!

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