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ツキジデスの罠

 アメリカの学者グラハム アリソンが発表した考え方を紹介する。
ツキジデスの罠とは、新興国が力をつけるとそれを恐れた先進国との諍いが起こることを指す。

 過去数百年の歴史を紐解くと15回戦争が起きたうち、11回はこの罠にハマってしまったからだとしている。

 その一つが第一次世界大戦。パックスブリタニカを謳歌する大英帝国、イギリスと、新興の専制軍事国家プロセイン(ドイツ)との戦いがそれ。
更に第二次世界大戦も同様の構図である。もっとも、これは欧州の覇権と、アジアに於いては日本と西洋諸国との覇権争いの二つが同時に起きているので、複合的な戦争といえる。

 もともとツキジデスが例示したのは、紀元前6世紀頃の古代ギリシャにおいて、陸軍国家として最強、かつペロポネソス同盟の盟主であったスパルタが、急激に海洋国家として台頭してきたアテネに対して、畏怖を感じ、軍事力を行使し戦争に繋がった歴史的事実である。結果としてアテネはギリシャの覇権を握り、スパルタは滅亡への道を進む。

 2014年から米中貿易摩擦が起き、更に2021年に米国の政権が変わっても対中政策に大きな変更はないが、冷静に考えると、このツキジデスの罠にハマろうとしているのかも知れない。
いや、あるいはこれは罠ではなく、theory定理なのかも知れない。
そう考えると将来恐ろしいことが起こるのかも知れず、我々も先々を見通して先手先手で対応策を考えていかねばならない。

He coined the phrase Thucydides Trap where a rising power causes fear in an established power which escalates toward war. Thucydides wrote: "What made war inevitable was the growth of Athenian power and the fear which this caused in Sparta." =Wikipedia英語版より

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