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#4訪問看護における主治医とは誰か

まつながです。

病院に勤めていると、
患者さんが入院して来て、
看護師が入院をとるときには既に
主科が決まって主治医も決まっていることが多いかと思います。
複数の科が介入する時は兼科という扱いになったりと
主治医が誰であるか、
が明確になっているかと思います。

訪問看護においても病院と同様に
ご利用者ごとに”主治医”と呼ばれる医師が存在します。
ですが、ここで想像してみます。

一般的に介護保険を利用したサービスが多いため
訪問看護を利用される方の年齢層は高齢者に当たることが多いわけですが、
自分の親戚などをイメージしてみると、
びっくりするくらいたくさんの
病院、クリニックに通っていることがあります。
これは身内だけでなく、
現場ではよくあることだったりします。

いくつもの病院に通院しているご利用者にとって
主治医とは誰のことを指すのでしょう。

訪問看護と医師の指示

訪問看護ステーションでご利用者にサービスを提供するときには
必ず「訪問看護指示書」という指示を医師から交付してもらいます。

この訪問看護指示書(以下、指示書)があって初めて
私たち看護師は在宅でサービスを提供することができます。

指示書には複数種類が存在し、ご利用者の疾患や状態に応じて適切な種類の指示書を受け取ることも大切になっています。
医師の指示には訪問看護でどのようなサービスを提供するのか
といった指示内容なども記載されているのですが
訪問看護指示書の種類と中身についてはどこかで整理しようとおもいます。

そして、この指示書を記載してくれる医師こそが
訪問看護指示書におけるご利用者の主治医と考えます。

厳密には、
”指定訪問看護の事業の人員及び運営に関する基準について”によると、

(前略)主治医とは、利用申込者の選定により加療している保険医療機関の保険医をいい、主治医以外の複数の医師から指示書の交付を受けることはできないものであること。
   __「指定訪問看護の事業の人員及び運営に関する基準について」より抜粋

と規定されています。
言い換えると、
訪問看護指示書における主治医とは誰か
を決めるのはご利用者である
ということです。

つまり、

「この人が主治医」とご利用者が言った医師から
指示症の交付を受けること
”で

訪問看護のサービスを提供することができます。


脊柱管狭窄症で整形外科に通院していて
糖尿病で糖尿病外来に通院していて
心不全の既往があって循環器内科に通院していて、、
なんてこともあるんですが、

実際は、ご利用者が、この人が主治医と考える医師に
訪問看護を利用したい旨を伝え、
指示書が交付されて訪問看護が利用できるようになります。

どういう理由で訪問看護を利用したいか
ということをご利用者やケアマネージャーとも共有しながら
「この病院の先生に依頼してみましょう」
といった助言をさせていただくこともあります。

例えば
前立腺肥大で膀胱留置カテーテルを挿入しているご利用者で、
保清やカテーテルの管理を訪問看護で行ってほしい
といった依頼が来たときは
通院している整形外科の医師でなく
泌尿器科の医師に相談してみましょう。といった具合に。

そしてこの指示書、複数の医師から交付を受けることはできないんですね。
ご利用者に対して指示書を交付できる主治医は一人。

(主治医が途中で変更になることもあり、変更することも可能です。
変更後は新しく指示書を交付してくれる医師を主治医と考えます。
主治医の変更については今回は割愛。。)

主治医との連携

訪問看護指示書の交付を受けて、
実際に看護師によるサービスが始まるわけですが
ご利用者は定期的な通院でしか医師にの診察を受けることができません。
2週間ごとなのか
1ヶ月ごとなのかは、その人次第ですが、
入院中と異なり毎日のように診察はありません。

そのため、ご利用者の小さな変化について
一番最初に気づくのがヘルパーや看護師であることが多いです。
”降圧剤を内服している人が低血圧続いていてふらつきも訴えているけど、、”
”最近便が硬く自力では出せないと訴えがあるけど、、”
ご利用者の小さな変化や訴えに気づき、適切なケアを行うためにも
医師との密な連携は大切です。

訪問の現場では
医師との連携は電話による相談が多いです。
さらに医師も診察の合間に相談を受けてくれるため、
ファックスを使用し口頭での連絡だけでなく、
書面に残す・記録に残すということも行うことがあります。

また、指示書を交付してくれた主治医に対して、
”訪問看護計画書”と、”訪問看護報告書”という書類を
定期的に提出しています。

まとめると、

訪問看護において、主治医とは

ご利用者が選定した医師を指し、訪問看護指示書を交付してもらいます。

主治医以外の複数の医師から指示書の交付を受けることはできません。

また、病棟のように医師と簡単に会えない分、
医師との連携は密にやりとりしていたりします。


以上、こんな感じです。

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