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《文化》さわれないもの。

6月30日、FM PORTが閉局しました。

8年と少しの間、たくさんの番組に携わらせてもらったPORT。

閉局が発表されたのは3月31日で、
その日、私は「NST News タッチ」の2日目を迎えていました。


色んな感情が押し寄せました。
でも、一旦はPORTでの役割を終えている者が
ここで大袈裟に残念がったり心配したりすることは何の役にも立たないことだとだと、
そのとき考えました。


とにかく新しい環境に慣れること、
ちゃんと「タッチ」で仕事をすることが、
FM PORTへの恩返しだと決めていたからです。


つまりは、PORTのことを考えないようにして、
この3ヶ月を過ごしていました。

◇◇◇

6月30日。

閉局特番に出演させてもらうため、
久しぶりにPORTに行きました。


車を停めて、
通用口から入って、
エレベーターで3階へ、
この一連の動きが
妙に身体に馴染んでいたことに驚きました。


自分の出演が終わってからもスタジオに残って、
一緒に仕事をしてきたディレクター陣の後ろに座って、
遠藤麻理さんと松本愛さんの話を聞くことに、
この上ない幸せを感じていました。

(特等席すぎてすみません)

何でこんなに面白いんだろう。
何でこんなに優しいんだろう。

そう思って、ずっと笑っていました。


◇◇◇

ここ数日「NST News タッチ」の中で
何度かPORTについて話す時間をもらいました。


PORTの閉局を惜しむ声がSNS上でやまないこと。

毎日、何千というメールが各番組に届いていること。 

FM PORTでは、様々な個性の人が働いていて、その個性は否定されることがないこと。

だからこその自由な空気が
あそこには流れていること。

その人たちは、
リスナーをとても大切にしていること。



松本愛さんは、リスナーの相談に対して自分の思いや考えを言い切ること。


不特定多数の人が聞いている放送の中で
自分の意見を言い切るというのは、
ものすごい覚悟がいることです。


それでも愛さんはやり通す。

自分を頼って相談してきたリスナーさんとの1対1の関係があるから。

その積み重ねが、
何にも変え難い信頼をうんだのだと思います。


そして、そういう愛さんの在り方を、
尊重し続けたFM PORT というラジオ局は、
すごいのだということ。

◇◇◇


リスナーとして迎えた6月30日でした。

だからこそ、いま、
人の気持ちがよく分かる、
優しい人たちの声が聞きたいと
思ってしまいます。


同時に、放送とは、
形のないものをつくる仕事なのだと、
改めて気づいています。


触れないからこそ、
温かいものは
確実に心の中に残るこということも。

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