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【基本編】国内最大級のハイクラス転職サイト「ビズリーチ」について調べる
人材系サービスに興味があったので、ハイクラス転職サイト「ビズリーチ」を調べてみました。
今回は基本的なところを調べて、次回以降いろんな視点でみていこうと思います。
運営会社について
企業名:株式会社ビズリーチ
創業年:2007年
サービス:HRテック事業を中心に複数運営
ミッション:インターネットの力で、世の中の選択肢と可能性を広げていく
※2020年2月よりビジョナル株式会社配下
![スクリーンショット 2020-04-05 10.10.28](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/22235040/picture_pc_c38ea70b15c35e325fc9ec725d81e36e.png?width=1200)
ハイクラス転職サイト「ビズリーチ」について
企業と求職者が直接やりとりできるプラットフォームで、年収1,000万円以上の求人が3分の1以上(ハイキャリア向け)の転職サービスです。
![スクリーンショット-2016-01-10-15.22.45](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/22241086/picture_pc_74d44091b9e8a614e0a7c90da8ddc337.png?width=1200)
また「年収600万円以上・年収1,000万円以上が支持する転職サービスNo.1」とのアンケート結果もあり、151万人以上の登録会員数、10,000社以上の企業(累計)に利用されているサービスです(2019年3月)
![画像3](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/22241399/picture_pc_3d08807b0ca2442abb3a47d76ea9e318.png?width=1200)
(出典元:プレスリリース)
ちなみにリクルートのサービスであるキャリアカーバーと比較すると、以下のようになります。
![スクリーンショット 2020-04-05 12.34.10](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/22243311/picture_pc_fec2258b8866423316316ee25d63a42a.png?width=1200)
※1 どちらもヘッドハンターの審査有のため、一定のコントロールがある可能性有
※2 ビズリーチ のサイト上に掲載の数値・検索結果の数値で差異があったので、会員ステータスなどで閲覧制限がかかっている可能性あり
![スクリーンショット 2020-04-05 12.24.45](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/22242700/picture_pc_f8ceb116aca21cd58e2f1ed7ede3d809.png?width=1200)
創業の背景
社会構造の変化が生み出す課題、技術革新による課題から着想した事業のようです。出典はこちらにおいておきますが、下記引用します。
寿命が伸びると必ず退職年齢は上がります。一方で、情報技術の進化によって、グローバル化や新規参入の登場など、企業を取り巻く競争環境はより激化することが予想されました。人間の寿命と反比例するように、企業の寿命は短くなっていくと考えたのです。
日本的な雇用制度がどこかで限界を迎える可能性を考えるようになりました。(一部省略)一方で、事業環境が変化する状況では、必ずしも相性が良いとは言い難い。かつて、同じ経験をした欧米諸国と同様の変化が、日本でも起こるだろうと想像がつきました。
また影響を与えたサービスとしては、下記が挙げられています。
(1)LinkedIn(ビジネスSNS)
当時は国民性やSNS未普及だったこともあり、LinkedInのようなオープンプラットフォームの形式はハードルが高いと考えていたようです。特に個人情報や職務経歴のインターネット公開は懸念していたようです。
そのことが原因で事業の方向性を再検討し、現在の形となったようです。
「転職・採用」といった利用の目的を明確にしたクローズドなプラットフォームを考えるようになりました。参加者を限定し、企業やヘッドハンターとビジネスプロフェッショナルが直接交われる場があれば、双方に有益ではないか。これがビズリーチの事業構想の始まりです。
(2)TheLadders.com(会員制転職サービス)
LinkedIn形式からピボットしたアイデアの方向性を検討していた時に、米で非常に近いコンセプト展開していたサービスです。ビズリーチ創業者の南さんとTheLadders.comの創業者の方で、事業について会話もされたようです。
マーケットについて
基本的にはデジタルトランスメーションなどにより、人材の流動化が進むため、市場の成長が見込まれていた...。というのはありますが、当然コロナ前の予想データなので、非常に厳しくなるのではないでしょうか。
![スクリーンショット 2020-04-05 12.57.01](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/22244736/picture_pc_f5ab201a94ee6bddf8542f3c279dac6a.png?width=1200)
転職サービス会社についてのアンケート結果。
部長職以上、年収1,000万以上の調査でほぼ1位を獲得しており、ビジネス的に優位なのではないでしょうか。
![スクリーンショット 2020-04-05 13.14.36](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/22245832/picture_pc_da84ab82920445ba45f41b3b18e59da1.png?width=1200)
![スクリーンショット 2020-04-05 12.57.12](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/22244746/picture_pc_59b436643ceeec1f7304e08735d0f73f.png?width=1200)
2019年8月、株式会社シード・プランニング社による調査(リンク)
対象:年収600万円以上の約600名、転職サービス運営会社59社82サービス
ビジネスモデルについて
基本的には、「転職希望者」と「求人企業・ヘッドハンター」を結びつけるサービスを提供することで成り立っています。
![スクリーンショット 2020-04-05 17.35.20](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/22265576/picture_pc_51b7a8e5867ca27031cce1e43fdaf862.png?width=1200)
ビズリーチ側としては、転職希望者(有料会員)も利用料を払っている(かつ審査有)のため、市場価値の高い人材がいるとの触れ込みです。
次に求人企業・ヘッドハンター側ですが、転職希望者のビズリーチ想起が高いため(前述)、人材DBの網羅性・独自性などが考えられそうです。特に求人企業側は月額定額+成功報酬であるので、転職希望者(有料会員)と合わせて、売上の安定性に貢献してそうです。
※求人企業が継続利用する動機としては、人材DBに加え、同じ候補者に時間をかけて、継続的なアプローチが可能な仕組みもありそうです(通常の人材紹介では難しい)
(参考)ビズリーチ の保有している求人情報について
転職希望者が有料会員化する動機のひとつとして、ビズリーチ経由で受けられる非公開の独自求人があるようです。
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掲載している採用企業にとって重要なポジションであることが多く、広く世に公開できるものではありません。中でも特に秘匿性の高い求人は、ビズリーチ内でも公開されておらず、スカウト後の面談で初めて知ることもよくあります。───(参照)ビズリーチが扱う求人について
社会変化に合わせて、政治・経済が変化していく構造
PEST分析ですが、特に「国内の労働人口減少・高齢化」「働き方の多様化・価値観の変化」が大きなポイントのように思いました。
不可逆な社会変化が起こっていて、それに対して政治・経済が適応しているように感じました(下図参照)
![スクリーンショット 2020-04-11 10.35.57](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/22674244/picture_pc_bbd9773777edc5e1fc75142bfcdd93c3.png?width=1200)
個人的には、長期的に人口減少というトレンドがありながら、働き方の多様化なども影響もあり、転職に接する機会は増えていくかもしれません。
もっと詳しく知りたい方は、厚生労働省、働き方の未来 2035参照していただくと良いかもです。
STP分析
基本的にはハイキャリア(年収:高)×転職意識が顕在化している層を狙っているサービスだと思います。
現状としては、①将来のハイキャリア層②転職が潜在的にあるハイキャリア層にも染み出していきたいのではないでしょうか。
![スクリーンショット 2020-04-12 10.56.10](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/22753150/picture_pc_18717421c675a3ae33107b88bc752cf0.png?width=1200)
②転職が潜在的にあるハイキャリア層向けアプローチですが、例えば「キャリアの見直し」「(転職でなく)キャリアアップのツール」などのキーワードを用いて、接点を作っていそうです。
ターゲットですが、以下のようなイメージと思われます。
◼️ターゲット
30代〜のマネジメント層、専門職
マネジメント経験有
転職回数は少ない
興味深かったところとしては、年収と転職回数が関係性がありそうということでした(年代関係なく)。仮説になりますが、特定の分野で深い経験を積む(=市場価値が上がる)などあり得るかもしれません。
![スクリーンショット 2020-04-12 11.11.30](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/22754077/picture_pc_8babd7de3dc6d1b37deae2b994d0a6df.png?width=1200)
ポジショニングですが、インターネットサービスなのでアクセス性良く、認知度も高いと位置取りだと思われます。(ざっくり目)
![スクリーンショット 2020-04-12 14.09.58](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/22766329/picture_pc_2696480b5ad98cb4caf1b8fcaa37d1f3.png?width=1200)
転職活動時のおおよそ4/3以上は複数サービスを利用する可能性が高いので、認知が高ければかなりの確率で利用される可能性があると考えてよいかもしれません。
(前述の部長職以上、年収1,000万以上の調査も合わせてみていただければ)
![スクリーンショット 2020-04-12 11.31.20](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/22755505/picture_pc_4f2dcad36c2f7d3fec1987621fdcb3bb.png?width=1200)
(出典元:転職サイト・エージェントはいくつ使った?1社の場合と複数の場合のメリット・デメリットを紹介、リクナビNEXT)
35歳転職限界説の崩れ
調査の中で、見えてきたことですが、従来言われていた「35歳以上の転職はハードルが上がり、なかなか成功しない」という説が古くなっているようです。
1つはビズリーチ社の記事ですが、日経からも記事があるので、合わせてみていただければと思います。
複合的な原因があると思いますが、個人的には下記のような理由が大きいように思いました。
◼️35歳以上の転職が増えた仮説
中核人材不足
平均的な経験企業が増えたことにより、新しい環境への適応できる人材が増えた
即戦力需要の高まり
まとめ:観察して感じたこと
今回は基本的な大枠を調べてみたのですが、以下のような気づきがあったので、まとめていきます。
(1)キャッシュポイントが複数あるので、売上が安定化しそう。
転職希望者(有料会員)、ヘッドハンター、求人企業の3社から売上があるため。既存サービスが企業側からの課金のみが多い中、転職希望者からも課金を実現できているのはすごいと感じました。
別話ですが、今年上場するかもしれないらしいので、決算資料など楽しみです。
(2)良いサイクルができている。
大きな粒度ですが、下記のような流れがうまく成立→売上に繋がっていると思っています。独自求人、人材DBが事業的に大事な要素と思いますので、それが増えていく構造はすごいと思いました。
(1)非公開含め、求人が登録される(CMなど)
↓
(2)転職希望者が集まる(独自の人材DB、網羅性)
↓
(3)ヘッドハンター、求人企業が集める
↓
(4)決定する
↓
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(3)転職サービスとしての認知の高さ
認知の高さ=新規転職希望者の登録とかなり直結していると思われますので、非常に重要なファクターと思いました。
転職希望者が登録するサービスには上限があるので、登録率が高くなるのは競合優位性になると思います。サービスの人材DB増加に直結する話。
(4)市場拡大するアクション
転職希望者に対して、35歳転職限界説の認識をなくすことで市場規模を大きくできると思いました(態度変容)。
転職希望者の年齢がハードルになっている場合は、態度変容数=市場への参加数になると思います(割合は不明)
![スクリーンショット 2020-04-12 12.42.30](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/22760096/picture_pc_7f88071853ec2f74361f4cc6a9fe6997.png?width=1200)
(※国税庁調査データ)
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お読みいただき、ありがとうございました。
自分なりに調べてみましたが、もし何かの参考になりましたら、幸いです!
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集客編を書きましたので、よければご参考ください。
(終)
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