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【予告】『源氏物語』花と衣と彩りと + 様々な ”The Tale of Genji”

 『源氏物語』をいつか読み返してみたいと思っていました。

 『源氏物語』はご存知のように紫式部による世界最古の長編女流文学作品であり、千年の長きにわたり数多の訳、派生作品、影響を受けた物語や歌を生み続け、能、歌舞伎、茶道、香道、書道、浮世絵、日本画、映画・演劇・ドラマ、音楽、家具や調度、着物の模様、工芸品や食器の柄、料理、和菓子の意匠や名前に至るまで日本文化の根の部分となり、知ってか知らでか日本に住んでいると今も関わらずにはいられない大文学作品です。

 来年のNHK大河ドラマは紫式部が主人公の『光る君へ』ですから、2024年は日本中が『源氏物語』の世界を詳しく共有できる素晴らしい年になるでしょう。

 もう40年前になりますが、私は大学の卒論で「源氏物語の白について」というテーマで、1年半源氏に取り組みました。

 そのときは「白」に1番魅せられたわけですが、『源氏物語』には「紅」をはじめ絢爛たる色彩が描かれています。

 花などの植物や自然、そして衣装。物語全体にわたって、素晴しい色彩のディテールが散りばめられ、『源氏物語』の魅力のひとつとなっています。

 その頃、集めた源氏関係、源氏の色彩関係の資料がまだ手元にあります。『源氏物語』の研究は長く、深く、数も多い。現代ではさらに研究が進んでいることでしょう。

 私は研究者ではないので大したお話はできませんが、出来る限り、新しい資料も適宜集めながら、この企画を進めていこうと思っています。

 今は、このように書いていこうと考えています。

【あらすじ】
  第1帖である桐壺から順に辿っていきます。
  花の写真と原文。私、松宮ゆらによる現代語訳。
【解説】
  花、衣装、調度などを出来る限り詳しく見ていきます。
【外国語訳】
  英語の新訳であるタイラー版をはじめ、アーサー・ウェイリー訳とサイデンステッカー訳など、取り上げた文に対応する箇所。

(この記事をはじめて公開した時はアーサー・ウェイリー訳とサイデンステッカー訳の2つの訳をとりあげるつもりでしたが、変更し、したがって、このシリーズの題も替えました。わざわざ、予告しておいて、すみません。

 新訳タイラー版がとても良いと思うのです。これが1番とか何番ということではなく、新しい研究の成果を盛り込み、今の時代に合っていて素晴らしい。

 ウェイリー版やサイデンステッカー版はファンの方、取り上げていらっしゃる方が多いみたいですし、私はタイラー版を中心に楽しもうか、と思います。第1回では 3つの英訳を並べて少し説明します。

 ここは源氏の名場面!と思うところは、アーサー・ウェイリー訳とサイデンステッカー訳も。ぜひ見てみたいと思います。)

  多言語訳についても、私自身の興味から加えていくかもしれません。海外での研究も進んでいるようですね。

 花の場面から花の場面へ。なるべく源氏の世界が途切れないように、あまり間があくようなら、あらすじ用に別に独立したページを作りながら、花だけを楽しむことも、物語の通し読みも両方できるようにしたいと思います。

 原文は岩波新古典文学大系「源氏物語」1~5を用います。私が使用したときは旧の岩波古典文学大系でしたが、新古典文学大系が出ましたので、こちらを使用します。なぜ原文を書くかというと、原文の美しさに優るものはないと思うからです。

 また、玉上琢弥博士の「源氏物語評釈」、小学館の日本古典文学全集も必ず見るようにします。こちらには全訳がありますので、(私の訳に)間違いのないように確かめます。

 英訳は著作権の問題があるようなので、短い引用にとどめようと思います。花の名前など、もし、受験生の方に読んでいただければ、それも嬉しいと思っているので、古典と英語の勉強が同時にできることを意識して、できるかぎり役に立つページにしていきたいと思います。

何故、花なのかというと、私、植物画が大好きなのです。

 今、朝ドラ「らんまん」で牧野富太郎博士をモデルにしたドラマが放映中ですね!新しい同好の方も増えたのではと思います。古今和洋の植物や植物画の話もしていけたらと思います。

さて、何年かかることやら。。。

ということで、私の初めてのNoteの投稿、これからやりたいことでした。どうぞ、よろしくお願いします。

(このページの画像は The New York Public Library のものを使用させていただいております。)


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