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ささやかな僕の夢 自慢の祖母がいた小さな町 上総興津(かずさおきつ)

26年前に上京しました。

以来、武蔵境⇒四谷三丁目⇒茗荷谷⇒
そしていま、町屋に住んでます。

東京は便利で楽しい街です。

松屋の定食に感動し、
てんやの揚げたてワンコイン天丼に驚き、
コージーコーナーも僕の田舎(安房小湊)にはなかった。

映画館がこんなに沢山あるんだと胸を躍らせました。
映画を観るには、外房線で1時間以上揺られ、
茂原まで出なければならなかったんです。

東京には美味いと便利が沢山ありました。


でも僕も46です。
人生後半戦です。

自然が恋しくなりました。

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いま母方の祖母が暮らした
上総興津(かずさおきつ)にあるゲストハウスで、
初めてスマホでこの文章を書いてます。

興津の海は静かでキレイです。

母は素晴らしい人でしたが、
祖母もまた人間性が美しい人でした。

興津は長年、祖母が暮らした町でした。

祖母はほとんど欲もなく、
古くて黒いラジオと図書館から借りてきた本が
あれば幸せという人でした。

うちの実家が借金まみれだった時に、
「返さなくていいから」と、400万円をポンとくれたそうです。

当時、母はとてもビックリしたそうで、
「年金をほとんど使わず、それをくれたんだろうね」と、
目を細めていました。

話がとても上手で、興津の借家に時々、
遊びに行った時、夜寝る前に、
布団の中で昔話をしてくれました。

図書館の本から得た断片を祖母が再構築して
つむいだオリジナルストーリーを弟とワクワクしながら聞きました。

僕が弟を一方的に嫌っていた時、
ガンで余命いくばくもない病床で、
「兄弟仲良くね」と、ひねくれたバカな僕を優しく諭してくれました。

祖母はいつでも優しく正しかった。

いつしか、そんな祖母が暮らしたような
海が近くて小さな町で、晴耕雨読の生活を送る。

そんな日々を夢みるようになりました。

これが僕のささやかな夢です。
初めて文字にしました。

読んで頂き、ありがとうございます。


これでまた、栄養(本やマンガ)摂れます!