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Adobe MAX Japan 2023参加レポート

2023年11月16日(木)、様々なクリエイターが集うAdobeの祭典、Adobe MAX Japanが4年ぶりにリアル開催されました。
今回イベントに参加したラクスル株式会社のデザイナー松倉が、キーノートの内容と会場の様子をレポートいたします。グルメ情報(?)もあるよ!


キーワードは”生成AI”

つい先日Microsoft Copilotの発表で界隈を騒然とさせ、常に世間の話題を掻っ攫っていく生成AI技術ですが、Adobeのサービスでもこの流れは変わりません。今まさにこの瞬間は生成AIによってクリエイティブな世界が変化していく過渡期になりますので、注意深く見守っていきたいと思います。

マーケティングとクリエイティブを繋ぐAdobe Express

個人的に一番発想がやばいと感じたのがこのAdobe Expressです。
セッションの始めの流れではAdobe Illustratorファイルを読み込んで簡単・自由に画像を改変できることをアピールしてクリエイターを一瞬安心させますが、本質的にはマーケティングアセットを簡単に制作・拡張していくためのツールなので、リテラシーの高いマーケターがこのツールを使えばマーケティングクリエイティブに関わっているデザイナーの仕事がかなり削られるポテンシャルを秘めています。

まず、Adobe Illustratorで作ったデザインファイルをAdobe Expressで読み込みます。
中のテキストを自動で多言語翻訳して表示してくれたり…
自動でさまざまな媒体に合わせてサイズ調整してくれます(わぁ便利、これはいますぐ使いたい!)
作った画像はSNSに直接投稿を予約できるので、このツールだけでマーケターのSNS運用の仕事が一部完結できるようになっており、連携範囲はXやInstagramだけでなく、LINEやnoteなどにも広がっています。
もちろん、機能はそれだけではありません。この場面では生成AIを使ってバースデーカードを生成しています。

目指しているのはクリエイティブとマーケティングの垣根を越えること

Scott Belsky氏はAdobeが思い描く未来を語ります。

技術の進歩により、クリエイティブとマーケティングの距離が近くなったとしても、本当に重要なのはコンテンツになります。
動画、広告、ソーシャルメディアなど、一つのブランドストーリーに関わる人数が増えている中で、ソーシャルメディアのスピード感についていかなければなりません。そんな中で重要なマーケティングの観点が二つあります。

マクロマーケティングとアジャイルマーケティング

マクロマーケティングとは、事前に綿密な計画を立てて大規模なキャンペーンを打っていく手法です。
ここでは、多くの人たちが関わっている中で、AIを使ってハイパーパーソナライゼーションして次のマーケティングに展開していきます。

アジャイルマーケティングとは、近年重要性が増している領域で、マクロマーケティングがスケジュールを月次で設定していくスピード感だとしたら、アジャイルマーケティングはストップウォッチを使っているような速さになります。
バイラルな変化を検知したら、すぐにエンゲージメントを獲得する施策を打っていく必要があります。
そこにテンプレートやクリエイティブツールを使ってアセットのバリエーションを作ることによってアジャイルマーケティングのスピード感に追いつきます。
マクロマーケティングの関連性を破綻させず、中核的なアイコンを維持してストーリーをリアルタイムで反復させていくのがこれからの理想のマーケティング手法です。そして、それを組織の中で牽引するのが社内のクリエイティブチームになっていきます。

さらに便利になるPhotoshop

生成AI機能が追加されているのはもちろん、保存した調整プリセットを管理できるようになるなど、さまざまな便利機能が追加されています。

大量に機能が追加されたIllustrator

こちらの内容は全て今年実際に使えるようになったIllustratorの機能です。
生成AIを使ったベクター画像の生成はもちろん…
出力されたAIベクター画像を、他のテイストに合わせる機能や…
さらにそれをモックアップに活用するなど、活用シーンが広がってきました。

さらに便利になるLightroom

Lightroomも例外なく強化されています。ちなみにこのnoteの記事で使われている写真の大半はiPhoneで撮影してLightroomアプリで加工されています。

その他、生成AIツールであるAdobe Fireflyなどの紹介もありましたが、今回の記事ではより実践的なツールに紐づいた生成AI機能に絞ってまとめました。

オフラインイベントならではの会場の盛り上がり

さて、残りは会場の様子やグルメ情報についてご紹介します。

ビッグサイト入口。平日の日中にアトラクション感半端ないゆりかもめに乗ってここに到着すると、仄かな罪悪感と高揚感でテンションのぶち上がりがやばい。
会場の様子。思ったほど混んではおらず、のびのびブースを見てまわれました。

いい香りが立ち込める飲食エリア

会場の真ん中にはAdobeエバンジェリスト一押しの肉系の食事や台湾料理などを取り扱う屋台が並んでいます。
これは魯肉飯の具を包んだ魯肉包。台湾料理独特の香辛料がちゃんと効いててうまい。会場には食事用デスクの数が少なく、立ち食いになりがちなのでいい感じの手軽さでした。

Adobeの出展物多めな展示ブース

Adobe MAX名物オリジナルグッズ。コロナ禍前の時代はこのクッションを持っていれば一人前のクリエイターになれた気がして(?)憧れたな〜!!
Adobe Expressで缶バッジを作るコーナー。大人気で行列がすごい。
11/16にリリースしたAdobeオリジナル漫画向けフォント「貂明朝アンチック」を全面的にアピールしたAdobe Fontsブース
他にもAdobe Stock、Adobe Acrobatのブースや
Russell先生の生成AIギャラリーなど製品に紐づいたブースがありつつ
Adobeのボードゲームブースや
クリエイターギャラリーなどなど、見どころがたくさんでした。

最後に

今後のAdobe製品の方針や、最新のツールを使ったクリエイティブの制作法をキャッチするのはもちろん、最前線で活躍しているデザイナーのセッションを見て学んだり、クリエイター同士交流したり、グッズを買い漁ったりと、いろんな角度で楽しめるイベントになっています。
とにかく今は時代の流れが早いので、こうしたイベントにはなるべく参加して動向を把握しておきたいところです。


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