多摩川のほとりで
僕は舞城王太郎という作家の作品を好んで読んでいる。でも、なにが好きって訊かれるとちょっと答えは難しい。
リズミカルな文章やらドぎつい暴力描写はそこまで好きではないし、登場人物達が静かでありながらも尖った口喧嘩をする様子なんかは、むしろ得意ではない。ものすごいリアリティのある口喧嘩で、読んでて胃が痛くなる。
久々に読み返していて『あれ? なんで好きなんやろう』と思ったりした。
そもそも僕は同じ本あんま読み返さない。別に記憶力が良い方ではないからすぐに忘れるんで、読み直したいなってなる作家さんもいるにはいます。
手放したりした本は沢山あるわけですが、なぜか舞城王太郎の本だけはほとんど買ったのは残ってるんですよね。
また読みたくなる不思議さがあるのかもしれない。ある種村上春樹なんかもそうですね。「羊をめぐる冒険」と「ダンス・ダンス・ダンス」なんて何回読み直したか覚えてないや。
舞城王太郎の作品に出てくる、川とか道の風景描写が個人的に好きなんだと思います。大体多摩川だけれど。
数年前、そういった作品を読んでから初めて多摩川に行ったときに、とても不思議な感覚におそわれました。なんだか自分が小説の登場人物になったというか、ちょっと外側から自分が見えるような。多分、気のせい。
今日、久々に応募しようと思ったコンテストに書き上げられなくて、自分にとってもそういう場所があればいいなと、なぜだか、思った。
次の創作はボカコレのつもりですが、これまたあと一か月とは…
忙しい日々が続きます。
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